タクシー接待問題
このところのニュースで、腹が立つのは「タクシー接待問題」だ。
“利害の発生する場で、安易に金品を受け取るような公務員は、まさに「貪官汚吏」である、関わった人間は、贈収賄の罪で摘発されて然るべし”という「真面目」な怒りもあるが……。
でも「あいつら、またうまいことやってやがって! チクショー!」という、やっかみ半分の悔しさが、私の腹立ちの主成分のようである。
第一、あの官僚諸君、自腹も切らずに安楽な日々を過ごし、おまけに金まで儲けているのである。
そりゃ国家の大事をあずかっておられるわけですから、仕事もきついでしょう。でも、そんなのは「あなたが選んだ職業」なのだから、しょうがないじゃない(そのために学校の受験を勝ち抜き、公務員試験をクリアするために、さんざん苦労したわけでしょ!?)。でも、あんたの仕事だけがきついんじゃない。朝早くから懸命に仕事をこなしたのに、終業時間が来てもまだ山は減らず、へとへとになってそれを仕上げても会社は一文もくれず、やっと終った〜、と思ってふと周りを見回したら、オフィスで自分がラスいちで電気がついているのは自分の周りだけ、当然終電はとうの昔に行ってしまい、タクシーチケットを出してくれる総務のお姉ちゃんは定時で「お先で〜す!」と、夜のシジマに消えてしまったし(彼女が退社する前に、その日の仕事の情況を考えて、あらかじめ、かなりな面倒臭い手続きでチケットを申請するのが、一般民間のしきたりだろう)……。彼に残された選択肢は、オフィスに泊まるか、自腹を切って(あとで会社から出してくれるとしても、当座は)タクシーで帰宅するか、ビジネスホテルかカプセルホテルかはたまたサウナの仮眠室を使うしかない。タクシーチケットなんぞというものは、そう簡単にゲットできるものではないのだ。
一番極端な例であろうとは思うが、ある官僚は、年間150日、タクシー接待を受けていたとのことだ。一年365.2422日。土日が合わせて104日、祝日が年間元日を除いて14日、年末年始とお盆で合わせて7日とすれば、休日は合計125日。年間稼働日は240〜241日。稼働日の実に八分の五が「深夜残業」なんて! まともに仕事してたら、過労で倒れるでしょ!
何が私のやっかみの元かというと、これなのだ。
昼間はのらくらしていて、ベルがなったとたんに張り切りはじめる「五時から官僚」。酒と汗の匂いにまみれた終電に乗りたくないが為に、のらくら延ばしてチケットゲット、もちろん会社(職場)持ち。降りる時に接待受けて、涼しい顔。朝は朝で始発駅から、座ってご乗車。そのために、のらくら残業で稼いで、周りには「いや〜、私なぞはここが精一杯で」なんて愛想を振りまきながら、埼玉の北部に100坪のマイホーム。定期代はしっかり請求するけど、実は回数券の方が得なのだという計算だけは得意。帰りはいつも午前様だけど、睡眠時間は朝の電車でしっかり補給。定年になっても自分の居場所は(仕事場ではない!)安泰……。
あ〜ッ! 想像するだに、ムカつくッ!
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