エリート(仮題)
エヌ氏は大臣である。
のどかな田舎に生まれたエヌ氏だが、何を思ったか一念発起、超(スーパー)エリート学歴を経て、その国の枢要に就いた。ところがそこでの出世に見切りを付け、その上を目指して議員選に立候補。ところが選挙と云うものは、そんな「エリート」さんには甘くなく、あえなく落選。実を云うとこれが今までの彼の唯一の挫折で、その後はまたとんとん拍子。割と早い目に「大臣」の座をゲットした。
そこでソツなく振る舞ったのが認められ、別の部局の大臣に任命されたのだが…。
正直、エヌ氏は舞い上がってしまった。ソツのない勤務態度ではなく、人格が認められたと勘違いしてしまったのだ。新たな部局の大臣就任早々、物議を醸す失言。当然野党は騒ぐ、世間も騒ぐ。
何しろ叩かれたことが少ない。そこで「好き勝手に自分の思うところをぶちまけ」て、世間の注目を浴びる挙に出てしまった。
エヌ氏よ、それって、記憶に新たなカトーくんと変わらんぞい。
国の大臣と、今や国民の最下層とゆわれる「派遣労働者」の思考レベルが同じというのは、喜ぶべきや、悲しむべきや…。
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