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2008年10月17日 (金)

チキン南蛮

しばしば買い出しに行くスーパーのお惣菜コーナーでよく見かける一品である。これが何とも侮れない一品で、うちのささやかなディナーの席には、一枚あれば立派なメイン(すなわち酒の肴と飯のおかずを兼務するもの)となる。スーパーのお惣菜を馬鹿にしてはいけない。原料はどうあれ、最終加工はその店の厨房である。そこまで工場でなされ、パックされた状態で店に並ぶコンビニものとは明らかに一線を画したものがある。おまけに時間帯によっては値引き販売のオンパレード!
このところ、終業時間が早くて(大きいのは稼ぎを一つに絞ったからだが)、なかなか「美味しい時間帯」の買い出しが困難になった。見るからにうまそうなお惣菜、かごに入れるのは簡単だ。しかしどうしても「これが二時間後には半額か……」というケチくさい思いを拭い去れず、躊躇した末に結局買わずに帰る今日この頃。
しかし、実はさっき定価の「チキン南蛮」を、すんでのところでかごに入れるところであった。でも、なんとかこらえて、店のフロアをさらに二周……。見つけたのは、大振りのトリの胸肉の半額シール付き。手に取って、うちの食料と香辛料の在庫を懸命に思い出す……。結論「うちで作るべ!」。
大振りの肉なので、二枚にそいで、半分は明日のストックに。ボウルにニンニクと生姜を卸し入れ、醤油と酒を注ぎ、胡椒と花椒を挽いたところへトリを漬け込む。漬けている間に、味噌汁を仕込み、付け合わせの野菜の炒めを済ませておく。漬けあがったら漬け汁に小麦粉と片栗粉、煎り胡麻を混ぜて衣にし、トリにからませ、たっぷりの油で焼き上げる……。
これがまた、今宵の作品は、外はこんがり香ばしく、なかはじんわりジューシーに出来てしまったのですなぁ。お酒、ご飯、付け合わせともども、すっかり堪能して、今夜も幸せなのであります。

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2008年10月 8日 (水)

緒方拳さん

南無妙法蓮華経。
私の母方の寺の「旦那」であった。幼い頃、新年法会でお見かけしたことがある。そんなわけで、こっちは勝手に「遠縁の親戚の叔父さん」くらいに思っていた。
亡くなって、いろんな人が拳さんの思い出を述べていたが、私の拳さんの思い出の作品は、TVドラマの「ギフト」である。
木村拓哉さん演ずる記憶喪失の主人公の、実の父親役(そして犯人&悪役!)が拳さんだった。「うちの叔父さん」が、かのキムタクの親父役、ということで、ひそかに喜んで観ていたものである。
拳さんのスクリーンの名作で挙げられていたのに「砂の器」もある。我が「三澤」姓のルーツを訪ねて、数年前に島根県・出雲地方を旅したことがある。たまたまその頃、松本清張氏の原作を読んでいたから「砂の器」の主要な舞台である亀嵩(かめだけ)にも足を踏み入れた。亀嵩神社の鳥居の前に「砂の器・舞台の地」という、立派な石碑も立てられていたっけ。のどかな棚田の広がる山里で、木次線の亀嵩の駅が、地元名産の蕎麦の店になっていて、訪れたのがGWということもあり、その周辺だけがやけに賑わっていたのを思い出す。
ネットでお戒名が発表されていたが、ずいぶんと立派なお戒名で、私が一発で憶えてしまうくらいだから、御本尊はあちらで照れ笑いしているかも。
天照院普遍日拳居士。自己流に和訳すれば「日輪は天にあまねく、緒方拳」(ちなみに上五中七は、草野心平氏の「校歌」の決まり文句)。出世作は「日吉丸」だし。お導師様のセンスに脱帽。南無妙法蓮華経。

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