ドル札のかほり
せっかく輸出が上向きかけたと思ったら、14〜5年ぶりという空前の円高ドル安で、ずない企業さんはみんな大変らしい。中でもクルマメーカーで一番損こいてるのが、某「T」社。ライバルより3円も甘い見通しだったなんて……。鶴のマークの飛行機会社みたく、ならないでね!
さて、その、かつての空前の円高のとき、ワタクシはサイパンへ「社員旅行」に行ったのでした。
ガイドブックをめくっていたら、オプショナルツアーに「セスナで体験フライト・$150」が……。
当時ワタクシは、なぜかヒコーキに激ハマりしておりまして、調布飛行場から、BNという、たった9人乗りの機に乗って伊豆大島へ行き、帰路は今は亡きYS-11に搭乗して戻ってくる、なんてことをして、楽しんでいたものだから……。もう、それこそ飛び付きました。
早速ホテルで申し込みして、翌朝、いざ独り出発! 同僚は呆れ顔でお見送り。
ワンボックスで迎えに来たから、てっきり他のホテルで誰か拾うのかと思ったら、そのまま貸し切り状態で昨日降りてきた空港の裏口に到着。
待っていたのは、元自衛官という教官(もちろん、日本人)。マンツーマンでの簡単なレクチャーと雑談ののち「じゃ、行きますか」。
つい昨日、ジャンボに乗って降りてきた滑走路の片隅にたたずむ単発セスナ機。操縦桿を握るはこのワタクシ。「さぁ、さっきの説明通りにね!」と促す教官。ジャンボジェットが発着する2000mの滑走路、この瞬間、ワタクシひとりのために貸し切りに! エンジンの回転を上げ、操縦桿を引く……。
ヒコーキに乗るたびに感激してしまう、地べたを離れるあの瞬間。それを自分の操縦で体験できるなんて! 高度1,000フィート(約300メートル)迄の上昇と、そこからしばらくの水平飛行は、好きにさせてもらったりして。
「卓さん、運がいいね! お客さんが集まっちゃうとね、代表の一人しか操縦席に乗れないんだよ」とは、件の教官の弁。
そのあと、切りもみ飛行なんかも体験させてもらって、そろそろお時間。
「さすがにこの先はお願いできないんで、私がやります(着陸操作を)。ペダルとハンドルに、軽〜く手足を添えて、感覚だけでも体験してね」
……その指示に素直に従ったおかげで、今のワタクシがあるわけです(笑)。
帰国して、池袋東口に当時オープンしたばかりのビックカメラで、かのMicroSoft社プロデュース「フライトシミュレータ(Mac版)」、買っちゃいましたね〜!
でも、哀しいことに、未だ一度も着陸できたためしがないの(苦笑)……。
しかし、成田で両替するたびに感じるのだけど、ドル札って独特の臭いがする。わが日本円はもちろん、ユーロ札にも、台幣(タイピー・台湾ドル)札にも、あんなにクセのある臭いは感じなかった。
他の何にも例え様のない、あの「ドル札特有の臭い」。何なんでしょうね……。
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