タンデンテ
明日5月2日は、ワタクシのオヤブンにして兄貴分、ネオ・ライフ前オーナーにして私塾 慧學舘塾頭、タンドー・ユージ氏が、永遠の遍路へと旅立って、一周年の日。
だから、また、思い出話。
ああみえて、オッサンなかなか料理が上手かった。タマゴ、特に半熟が苦手なワタクシだが、オッサンの作るフワフワとろりのオムライスは平気で平らげることができた。
しかし、そのオッサンにして、不評タラタラのメニューがあった。それは「パスタ」。
何しろ、とろける寸前まで茹でる。歯応えもなにもあったものじゃない。「パスタはやっぱ、アルデンテでしょ!」と文句を付けようものなら、一流の強引さで反撃が。
「そういうけど、メシの芯のあるのが喰えるか!? 芯のあるメシ喰って喜ぶなんて、イタリア人はバカだ! そんなだから(日独伊・三国同盟で)、最初に白旗揚げちゃったじゃないかよ。イタリア人はアテにならん!」
……そういうオッサンも、あんまりアテにならなかったけど(笑)。
でも、パスタはグチャグチャに茹でるくせに、「村山ホープ軒」へラーメンを喰いに行けば、必ず「脂濃い目、麺固め!」と雄叫って、お冷やに酢を注いで舐めながら、オニのように「辛味」を突っ込んで、真赤になったのをすすってた。
ただ、ポロッと本音を洩らしたことがある。
「“柔らかめ、脂抜き”、美味いだろうな〜、きっと!」と。
一時期、博多ラーメンにハマったことがある。最初はホープ軒同様「固め、濃いめ!」オンリーだったが、いつのまにかすっかり変節して「あっさり柔らかめ」ばかり注文するようになった。だったら、ホープ軒でもそうすりゃいいのに……。
本人曰く「あの店にだけは、意地を張り通したかった」んだそうだ。だから「あれを喰うと4時間で来る!」とか何とか云いながら(ホント、きっかり4時間後にムックリ起きて、トイレに駆け込むのだ)、「脂濃いめ固め」と格闘してた。
福島に来てからも、何度となく「ホープ軒のラーメン、喰いに行きたいなぁ」と話したものだけど…。果たせなかったね。
この頃、滅多にパスタ料理をしなくなっちゃったワタクシ。でも、ごくごくたまにパスタを茹でると、その度に、あのクチャクチャの「タンデンテ」を、思い出すのです。
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コメント
先ほど、村山ホープにて「麺固め油多め」を注文し、
辛子のトッピングで偲んできました。ああっ、水に
酢も入れました(笑)
あの日卓さんの「つる」、笑えなかったけど最高でした。
お墓参り、行けるといいのですが。。。。
投稿: ヨシムラ | 2010年5月 3日 (月) 03時06分
ヨシムラさん、毎度のコメントありがとうございます。
そこで、さらなるエピソードひとつ。
ある日、オッサンとホープ軒で昼飯にしたら、カウンターを隔てて座ってた小さな女の子が、オッサンの真赤なスープを見て、オッサンを指差しながら、隣の母親に「ねぇ、ねぇ、何、アレ!」と、興味シンシンの質問。
すると、かの母親、オッサンを一瞥すると「メッ! 指差すんじゃないッ!」
あとで聞いたら、オッサン本人は全く気付いていなかったそうな。傍で見ていて、思い出す度、爆笑してしまう光景です。
投稿: 卓 | 2010年5月 3日 (月) 22時06分