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2010年7月30日 (金)

なめろう

なめろう
見た目、はなはだ、グロなこれ。
「なめろう」という漁師料理。生の魚肉に味噌と、ネギ・ショウガ・シソなどの薬味を加えて、俎に広げ、包丁の背で万遍無く混ざるまで叩く。以上で出来上がり。そのままチビチビお酒の友に佳し、取れたてキュウリに添えてもまた佳し。


でも、実は今日、仕事を終えて会社を出るとき、ワタクシの摂食中枢は「チリコンカン」に占領されてた。
帰宅途上の買い出し、行きつけの酒スーパーで、「チリコンカン」故に、予定のなかった赤ワインまでゲットしたのに……。


トドメで「お肉系」を仕入れようと立ち寄った、我が家最寄りの某スーパー。
そこに……。


「飛び魚のタタキ」の格安見切り品がっ!!!!!!


迷った迷った、悩んだ悩んだ……。店内を5回は巡回した。でもね……、それでも、まだいるのよ、それが!


この堂々巡りの間、実はワタクシの耳は、天(?)からの囁きにさらされていた。
「コレは、なめろうだべ〜、やっぱ、なめろうだべ〜!」

……負けた(笑)。


このブログの常連読者様なら、この「天(?)の声」のヌシはお察しがついたでしょう。そう、まぎれもない「タンドーのオッサン」!

オッサンが福島に、ワタクシが東京にいた頃、オッサンさんざワタクシのうちへ「居候」しに来たくせに、いざワタクシが福島へ移ったら、すっかりお見限り。

福島に移住してから丸4年を迎えた初夏。
ワタクシ、その前年末にオッサンの塾から足を洗ってしまい……、旧交をあたためたくて、塾が暇な初夏、我が家へお誘いしたら……、ニコニコしてやってきた。

早速、我が行きつけの至近のスーパーへ買い出しに。幸い定番の「刺身見切り品」も豊富だったけど、オッサン曰く「コレもいいな……」と指さしたのは、サーモン刺身のサク。…確かに、高くはない。

我が家へ戻ったら、台所をオッサン、離れない。自ら指名のサーモンは、オッサン得意のカルパッチョに。そして、見切り刺身バックに入っていた鰺のタタキをベースに作ってくれたのがこの「なめろう」。

その夜、オッサンと何を話したか、どうも記憶が定かでない。恐らくその頃のお互いの不満をぶつけ合って、傷の舐め合いでもしたのだろう。

それから一年もたたないうちに、永訣になるなんて……、思いもよらなかったわけで。

だから「なめろう」は、我が家でオッサンが作ってくれた形見になっちゃった。でも恐らく、オッサン自身も「本当の“漁師のなめろう”」は食ったことないんじゃないかしらん。
土曜日の昼下がりのテレビの「旅番組」がやたらに好きで、仕事おっ放り出して見入ってたし……。
でも、本人談「日本全国津々浦々放浪した」という話も聞いたから…ひょっとすると、かもしれない…。

とりあえず。
今日は(今日も……苦笑)、オッサンに負けちゃった。でもね。

明日か明後日には、絶品のチリコンカン作ったるで! 見てろよ!

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2010年7月26日 (月)

プチ帰京

生演奏の「新世界より」。テープで聴くだけではわからない、奏者さん達の動きを見られたり、息遣いを感じたりできるのは、どうしたって「ライヴ」に限る。
弥生室内管弦楽団様、わが母ともども、たいへんよきひとときを楽しみました。ありがとうございます♪
いやぁ、オーケストラって、ホントにいいもんですね!(C)水野晴郎


実家に一泊して、いつもの「さくら交通」で福島へ。今日は、小竹向原経由で有楽町へ出てみた。そうしたら、「さくら」の出発場所の最寄り駅は、実は「銀座一丁目」だったということを「発見」。

ところで、どうも東京に来ると「立ち食いそば」が喰いたくなる(但しワタクシ、ソバアレなので頼むのはもっぱら「うどん」だけど)」。有楽町駅周りをブラブラして昼飯場所を探したけれど、時分どきでどこも満員。某・牛丼の「Y家」なんてウェイティング状態で店の中を覗いたら芋洗いになってる。何がと云って「芋洗いの食い物屋」くらい苦手なものはないので即通過!
結局ガード下「後楽そば」に。別に何の変哲もない「立ち食いそば」だけど、生麺をお店で茹でて出しているから、悪くない。そして嬉しいのは「刻み葱入れ放題」! 「さくら」での出発前に小腹を満たすにはおすすめ。

あ、「立ち食い」にするんだったら、品川駅ホームのそば屋にしておくんだったか! まぁいいか、お盆の帰京のとき、品川にしようっと。

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2010年7月25日 (日)

東京に来てます

東京に来てます
だいぶできたなぁ、スカイツリー。

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2010年7月22日 (木)

やっぱりライヴ

ドボルザークの交響曲第9番「新世界より」。

とても好きな曲。若い頃に親友からもらったテープを擦り切れるほど聴いた、タクトを揮る真似をしながら……。

つい数ヵ月前、ひょんなことから、ドボ先生が、筋金入りの“鉄”だった、というエピソードを知った。自分の全ての楽曲の著作権と機関車一両を取り替えられたら嬉しいと語っていた、とか、アメリカに渡ったのは大陸横断鉄道に興味津々だったからだ、とか、ニューヨークでの日課が駅での車両チェックだった、とか……。ワタクシがドボ先生と同じような立場に立ったら、全く同じコトを思って、しかも実行しそう……(苦笑)。

さて、その“大陸横断鉄道”に魅かれて渡米したドボ先生が、現地で作ったのがこの「新世界より」。

何年かぶりに、昔、親友からもらったテープを引っ張り出して、聴いてみた。

全編「汽車」じゃん、コレ!(笑)

もちろん、そういう先入観で聴くからそう取れてしまうのに違いないけれど……。
しかし、ドボ先生がニューヨークで初めて見聞したであろう“雑踏”の空気をも、ワタクシは感じた。よく「高度経済成長期の映像」として流される、新宿駅のラッシュの様子……、もちろんワタクシ自らも経験した通勤ラッシュ……、そしてそれが一段落したターミナル駅の、一抹の静けさ(夜勤でいささか残業した“明け”の西武池袋駅で見たような)……。

国境を越え、時代を超えて、具体的なイメージ(視覚像のみならず音、匂い、触感と云ったものまで含めて)を、聴く人観る人の脳裏に鮮やかに甦らせる……。
コレこそが「古典」であり、それを再現してくれる演者が「名人」なのでしょう。

ホントは色々やらなくちゃならないこともあるのだけれど、矢も盾もたまらず……。ワタクシ今度の日曜、急遽「新世界より」のライヴ演奏を、東京へ聴きに行って参ります。

本当なら青春18きっぷで行きたいところだけど、諸事情により、バス往復にて…

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2010年7月19日 (月)

ひょろぴり

一昨日。まちなか夢工房2Fでの「元気寄席・うずまき勉強会」にて、ワタクシ「千両みかん」を披露させていただきました。
仕込み開始から2週間。もちろんほとんど未消化だけど「勉強会だからいいか!」と、お客さまの迷惑も何のその、やるだけやってきました。
外は一天にわかにかき曇り、稲妻、稲光、バケツをひっくり返したような驟雨。そんな中、45分にわたる、ヘタクソな長講に、ご臨席の皆様、よくぞお付き合いいただきました。ありがとうございます。
何しろ「サゲ」を云って頭を下げたのに、誰も「あ、終わった」と気付いてさえいただけなかったようで、放送事故になりかねない「無音」の時間が……。余程皆さん、呆気にとられていたのでは(苦笑)。

自分でも呆れた「長講」なので、なかなか演る機会はこの先なさそうだけど、好きな噺なので、もっと精進して、またいつか、もっといいものを御披露したいと思います。

今回は「ああ、あいつの噺が長かったから、雨のピークに外に出なくて済んだ」と思っていただければありがたいです。


さて、昨朝。出かける前に座卓に置いた財布を拾おうと、ひょいと腰を屈めた瞬間……! 「ピリリッ」と、来てしまった!

着ているものが破けたなら、よかったのだけど……。キタのは恐怖の“ギックリ腰”!
ワタクシには、コイツ、前兆なく襲ってくる。しかも、日常茶飯の、なんてことない動作がきっかけで……(そして、いつも「暑い時期」のような気がする…)。

でも、今回の遠因は、たぶん一昨日の長講……。おそらく、未熟な噺を無理矢理かけた“罰”か?

落語「道具屋」の“ゴミ”のなかに“ヒョロビリの股引”があるけれど、ワタクシは“ヒョロピリの腰”の持ち主なわけで。

これ、ツライんです。立ってて咳払いができない……。
おまけに昨日今日と、猛暑のオモテで立ち仕事……。昨日はなんとかやりこなし、帰りがけ、クルマへ戻って走りだそうとして、クラッチ踏んだら「ギャ〜(*_*)」。何とかダマシダマシ帰ってきて、風呂から出てきたら、腰が伸ばせない。まるで一昨日のすゞめ姐さんの「死神」のおんつぁま状態……。
今日も完治しないまま一日オモテで立ち仕事。辛かったけど、今日の帰りのクラッチは平気……。「これは昨日よりマシかな?」と思ったがしかし、風呂から上がったらほとんど同じ……。

「そうだ。腰に何かきつめに巻いとくと、少しは楽かもしんにぃ」と考えて、ちょっと大きめのタオルを腰に巻き付ける。確かにわずかに楽だけど、やっぱりまっすぐは伸ばせない。

腰が曲がって、腰巻き巻いて……。夕食の胡瓜を刻みながら、すっかり田舎の婆っぱ様の気分になっておりました。


明日からは「座り仕事(長時間座り続けが、これまた、ツライ……)」、土曜日は出前寄席だ。

お願いだ、早く治ってくれ〜〜、ヒョロピリ!

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2010年7月11日 (日)

また「捩れ」か…

御隠居が、何をして遊んでいても、近所の百姓は、それを呆れて観ているばかり。

でも「そんなのカンケイねえ!」と突き放すだけでは、ね。

エイリアン同士……お互いの理解…。これをいかに得るか。なかなか難しいけれど、時間をかけて馴染みあうしかないだろうね。

「茶の湯」という噺。

「異文化」との出会いと理解という(御隠居にしても、お百姓にしても)、困難な仕事。御隠居はムチャクチャな知ったかぶりで、お百姓はあくまで従前の価値観に従って、お互いに自らの安穏で楽しい生活を望んでいる。

そんなお互いがお互いを嘲笑しつつ、なんとなく理解できはじめたらいいな。

「茶の湯」という噺は「異文化交流」の話だったりもするのです。

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ありそうで、なかったもの

ありそうで、なかったもの
ペットボトル入りの日本酒。

それがとうとう出現した。もっともワタクシ愛顧の「合成酒」だけど……。さすがに「ビール系」のペットは未だないけれど、焼酎も、ウイスキーも、ワインだって安酒はペット入りという御時世。「やっと来たか!」

酒販チェーン“やまや”にて、1.5リットルというお酒にしては中途半端な容量だけど“398円”! 埼玉は羽生「東亜酒造」さんの作品、名付けて「舞扇」。

中身は、極ごくマットウな、うまみ調味料控えめの合成清酒(なんぼ「合成酒フリーク」のワタクシでも、“味の素味”の勝ちすぎた合成酒には、一舐めで頭痛が襲う…笑)。コレははっきり、ワタクシの“お気に入りリスト”に文句なく追加!

でもひとつ、気になることが。我が家は独り者ゆえ、昼間は無人。開け放しにしておくわけにも行かないので、一通り締め切って出かける。そこへこの所の暑さ続き……。鉄筋コンクリート4階建て最上階に位置するわが部屋の気温、おそらく40℃オーバー……。
中に誰もいなくても「ただいま〜!」と云いながら戸を開ける。しばらく玄関口にたたずんでいないと、中へ入り込む気がしない熱気がモワ〜ッと顔に襲い掛かる。それが少し納まったところで、意を決し、息を殺して、ベランダの戸口へ突進。そこをもどかしげに開け放って、玄関もしばらく開けっ放しにして数分……。これが夏場の帰宅時の定番の儀式。

晩酌兼晩飯の支度を整え「舞扇」を見たら、中に汗かいてた……。

別に「紙バック」のお酒だって、気温が気温だから、実は同じ状態になっているはずなんだけど……。「見ぬ物清し」だね!

これ「相撲場風景」の、クスグリだったなぁ。今日から大相撲名古屋場所、波乱の開幕。いつもなら大相撲の直前の朝のラジオで聴ける、舞の海さんの声が聴けなかったのが淋しいな。でもとりあえず、福島にやってくる「夏巡業」は予定通り開催するそうで……。この関係の仕事がいくつかあったので、ひとまず安堵。ちなみに、会場の「幟」は、ワタクシが制作担当しました(^^)v。機会があるなら見てね!

そしてあとわずかで「投票締切」の参院選。ワタクシ朝一で行って来た。ここでさんざ「無党派宣言」しているワタクシ。悩んだ挙げ句、地方区は、自分の部署で「事前のポスター」でさんざ手直し食らったうえに、趣味の仲間がどうもそこの選挙事務所でボランティア運動員をしているらしい候補の名前を書いて来た。比例区は、業界団体へ推薦依頼があったという人の個人名を、一生懸命探して書いて来た。
比例区の記入台へ行ったら、かつてワタクシが何回か名前を書いたことがある、ある人名が、意外なところに!

もういいトシなんだから、イイカゲンにしようよ……。ドクター中松!

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2010年7月10日 (土)

もう幾つ寝ると 夏休み

中高生はもう、たぶん「期末」も終って夏休みを待つ心境だろう。
こんな中、走くり回っているのが「塾」屋さん。

福島の中学3年生だと、たぶん今日あたりが「第1回・新教研テスト」。
塾屋さんの、今年度の「成績(売上実績)」を占う、とても重要な一日…。この受験生を何人獲得できたか。これが直近の「夏期講習」に直結するし、夏期講習の成功如何は年度末まで影響する。

今の職場でも、塾屋さんのモノを手掛けることがあるけれど、かつてのワタクシの経験から、他人事とは思えなくて、いきおい気合いが入る。

それにしても、タンドーのオッサンに拉致られて最初の「夏期講習」。ムチャクチャだったなぁ(笑)。

生徒はたったの5名。中3生3名、中2生1名、小学生1名……。たったそれだけしかいないのに、オッサン、講義の時間割りを作れないのだ。
仕方がないから、かつてオッサンと一緒にやっていた、クルマのレースの如く、結局ワタクシが全てのタイムスケジュールを組み……たしかそれが仕上がったのが、夏期講習の始まる2、3日前、という体たらく。

この打ち合せの時、ワタクシひとつの提案をした。
「昼飯、どうする? せっかく台所もあるんだし、何ならみんなで作りっこしません?」
意外にも…タンドーのオッサン、猛反対。
「授業中に美味そうな匂いがしてきたら、授業に身が入らなくなるし、だいいち生徒が一緒に喰いたいなんて云ってきたらどうする? そうすると“講師”と“生徒”の間の壁が崩れる。それはダメだ!」

ところがそれは「建前」だったようで、「おとなしく、なるたけ匂いのしない料理」にして「あくまでも講師だけの“賄い”で、生徒には提供しない」ということで実行することになった。


これが結局…。約40日に及ぶこの夏の夏期講習の間、ビルオーナーのミゾさんまで巻き込んで続いたのだから、可笑しい。

もっと可笑しいのは、当のオッサンで、午前中授業のない日こそ、やけに生き生きして、アタマにタオルを巻いて大汗かきながら、嬉々として台所に立ってた。さらには、夏期講習が終わったあとも、台所で何やら怪しげな食い物を作り、腹っ減らしの生徒達に食べさせては、悦に入っていたのである。ペット用お肉が主原料のシチューやら、「白鳥の餌」として格安で売られているパンの耳を天麩羅廃油で揚げた代物やら……。


楽しかったなぁ、あの夏。福島は盆地だから、昼の暑さが一段厳しい。あの夏は、毎日平気で「35℃オーバー」したし。窓をあけると
♪わ〜らび〜、餅、つ〜めた〜くて、お〜いし〜いよ、早く来ないと、行っちゃうよ〜♪

と、妙に耳に残る売り声が流れていた、あの夏。

もう6年も、前になるんだなぁ。

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2010年7月 6日 (火)

もし100年早く生まれていたら

ちょっとした思考実験。
実際のワタクシ、西暦1966年生まれ。これを100年前、1866年に置き換えてみる。

西暦1866年、我が国の慶応二年。ちょうど大河ドラマ「龍馬伝」が今、さしかかっている辺りかな。

2歳の時に「明治維新」、もの心がつきはじめる6歳の時「♪汽笛イッセイ新橋を〜♪」、鉄道開通。20〜30歳台、我が国日本は、日清・日露の対外戦争に明け暮れ…。40台半ばに差し掛かる今「1910年」。来年は明治天皇が崩御され、大正時代に入って行く……。

そんなふうに想像すると、別に現代、それほど進歩が早いというわけでもなさそうだ。

自分が生まれた頃にはプランすらなかった「鉄道網」という交通インフラが急速に全国に普及し、郵便・電信というメディアが整えられ、新聞というそれまでになかったマスコミが登場し……、世の中は大きく変わった、ように見える。

でもそれは、表面だけで……。人々の営み、性(さが)の根本は、あんまり変わらないみたい。

だから慌てるこたぁ、ない。マイペースで、好きなように、生きて行けばいいのだね!

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2010年7月 3日 (土)

ネタおろし

まずはちょっと自慢話(なのかな?)。

落語を再開してから1年半。おかげさまで色々なところで披露させていただいたけれど、まだ「同じ席で同じ噺」を演ってない(……ってさぁ、それほど高座数も積んでねぇべした! 先日仙台でご一緒した、山形の笑風亭間助さんの3分の1、まして、キャリア20年の米沢の立花亭小道さんには云うに及ばず……、お恥ずかしや……)。

自慢と最初に云ったけど、よく考えると、単なる「ムボー」かも知れない。そう多くはないワタクシの高座経験で、ほぼ3分の2が「ネタおろし」。
「不特定多数のお客さまの前でネタおろしは、失礼だ」と云ったプロの噺家の師匠がいらっしゃるそうだけど、確かにそういう面はあると思う。

しかし、こちとら、プロじゃない。お客さまから木戸銭いただく会にも出るけれど、なかなか人様に聞いていただく機会は……。そうそうは作れない。

自分が、お客だったら、そういう席に何を求めるか。

この頃、仲間の噺、プロの師匠方の噺を聞く機会が増えたのだが、事前のアナウンスがなくても、古典なら本題初っ端の「ひとこと」でほぼどんな演題をかけるのか、わかっちゃう。でも、楽しみはたくさんあって、仲間内なら「今日の調子(お客さま、そして演者の)」を測れるし、プロの師匠方の芸には必ずサプライズがある。袖で仲間の噺を伺うとき、客席でプロの噺家さんの芸を観るとき……。自分が高座に上がるのはもちろん楽しみ(苦痛なときもなきにしはあらず……苦笑)だけれど、客席では、袖では、いつでも“ワクワク、ワハハ”のワタクシ。だから、せめてワタクシの拙い高座では、ワハハはなくても「へ〜、こんな噺とか、演り方とかもあるのね〜!」なんて、ちらっとでも思ってもらえればいいなぁ、と(だからって「創作」とか銘打った、史実っぽいけど怪しげな噺をかけるのは、何だかなぁ)。


わざわざ「トーシロー」の噺なんぞを聞きに来ていただけるお客さまって……。どういう方々なんだろう。自分も「テルサ寄席」、お客で5年通ったから、解らなくはなさそうだ。

まず「寄席の芸が好き」。そして揃って「眼が肥えている」。

別に我々トーシローの芸なんぞ観なくたって、世の中にはCD、DVDがあふれかえっている。世の中に名人上手とうたわれた師匠の音声、映像は世の中に売るほどある。それこそカウチポテト(そゆことゆうと……歳、バレっつぉい!)で堪能できる。そっちのほうが、間違いない。演者本人が納得して売り出したものである可能性が高いし。

でも、寄席、ライブ、これって、上手いからっていいかといえば、それだけじゃない。

寄席に行くと、そして早いうちに入れると、前座さんの時間がある。
彼らは、木戸口で渡されるプログラムにも、名前さえ載ってない。でも、ちゃんと一席務める持ち場、開口一番を任される。
前座さんの初々しい噺を聞くと、ワタクシは清々しい気分になる。
三々五々、客席は埋まっているけど、誰もクスリともしない。そんな中で、汗をかきながら一所懸命に高座を務める、芸人のタマゴ。

ワタクシは、トーキョーの寄席の前座さんの噺でも、大口開けて笑っちゃうクチですが……。

いかん、いかん……。テメーで何を云いたいのかわからなくなってきた(苦笑)。

しかし、福島の、素人落語を聞きに来ていただけるお客さま……。キビシイっす! 演者よりむしろ、経験・見識豊富……。某「A演芸ホール」や、「S演芸場」に、ドバ〜ッとなだれこんできて、芸を見ながらお弁当喰って、またゾロゾロっと帰っちゃうような団体のお客さんの前で、一席演ってみたいなんて思っちゃったりするくらい……。

閑話休題。

それはわかっているけれど、ワタクシ、来る17日土曜日、ふくしま街中夢工房2階、オアシス広場で行います「勉強会」で、またまたネタおろしをするつもり。

それで一昨日はネタ探索。

先週、ワタクシが子供の頃、さんざ馴染んだ本を県立図書館で借りてきたけど、いまひとつシックリ来なかった。で、一昨日の成果はと云えば……、江戸落語の「伝説の名人」、上方落語の「時代の寵児と云われた名人」のCDを聴いて……、両師匠には申し訳ないけれど、今のワタクシにはお二方の噺、ともにどこか馴染めず……。いちばんピッタリ来たのが、現・落語協会会長の「本」。

「本」から噺の稽古を始めるの、久しぶり。しかしこれ、なかなかにつらい。まずは「写経」の如く、自分のネタ本へ丸写し。そしてこれをひたすら「音読」。さらにこれを「暗譜」するのだ。で、「暗譜」が何とかできたところが、稽古のスタートライン……。
何がきついかって、写経と音読は、通勤途上でやるわけにいかない……。きちんとそのための時間をとらないとならない。

ええい、ままよ! チャレンジ、チャレンジ! やるだけやってみよう。


で、どういうネタかって? それは17日当日のお楽しみ…。一応「季節モノ」とだけ申し上げておきましょう。

当日ダメダメだったら……、ごめんなさい!

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2010年7月 2日 (金)

痛恨のポカ

昨日はお休み。
午前中から、今度演りたい噺の音源と本を求めて市内を西へ南へ。
帰って自家製・冷やし中華で昼飯を済ませ、借りてきたCDを楽しんでいたら……。会社から電話。

「あの〜“卓”さん、昨日頼まれた○○の仕事、校正出しました?」
「え? それって、明日校正出しだったんで、明日仕上げようと思って、途中までやって、投げて帰ったんですけど…(・・;)」
「……あのねぇ、あれ、“明日納品予定”で……」
「(@_@;)……。申し訳ありません!」


作業伝票に書いてある「納品日」を、出校日と間違えたのだ。
今から会社へ向かっても、着く頃には全て終っているだろう。慌てて向かうだけ無駄だ。

しかし、しかし……。

「納期遅れだけはしない」という、今の職場に入ってから、自分がいちばん大切にして来たポリシー、そして実際今まで余程のことでもない限りそれを貫き通して来たというプライド……。自らのちょっとした粗忽で、懸命に積み上げて来たものが、ガラガラと音を立てて崩れた気がして…………久しぶりに、ものすごく、落ち込んだ。

午後も色々計画をしていたけれど、何をする気にもならない。最低限の用事は済ましておこうと出かければ、財布を忘れるという体たらく。クルマのハンドルを握っても、心ここに在らず、運転しながら落語の稽古をしてるより、一億倍も危険な状態。


こうなったら仕方がない。明るいうちから早々、呑んでフテ寝……。

気を取り直して、今朝の出勤。身が入らないけど、とりあえず噺の稽古だ。リクエストをいただいている「ジュゲム」を大声で唱えていたら、少し元気が出てきた。


やってしまったことは、戻らない。朝から、迷惑を掛けたであろう方々へ、お詫び行脚……。


ところが、誰もあからさまにワタクシを非難する人がいなかった。皆さん、笑顔で、ワタクシを許して、迎えてくれたのである。

有り難い! こんなに有り難いことはない。モトはといえばワタクシの粗相。それで皆さん、昨日午後半日、ヤキモキしたり、色々な迷惑を被ったはずなのに……。しっかりフォローしていただいたうえに、……笑顔。

すっかり憂さが吹き飛んだ。でも……だから、今回のことは忘れない。

まだまだ、精進します!

職場の仲間の皆さん、ありがとう。また、ワタクシを支えてくれる、落語仲間の皆さん、お客さま……、ご近所の方々、古き友柄、今までにお付き合いしてきた沢山の皆さん、ありがとう。

おかげで明日からも、楽しく元気に歩んで行けます。

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