もう幾つ寝ると 夏休み
中高生はもう、たぶん「期末」も終って夏休みを待つ心境だろう。
こんな中、走くり回っているのが「塾」屋さん。
福島の中学3年生だと、たぶん今日あたりが「第1回・新教研テスト」。
塾屋さんの、今年度の「成績(売上実績)」を占う、とても重要な一日…。この受験生を何人獲得できたか。これが直近の「夏期講習」に直結するし、夏期講習の成功如何は年度末まで影響する。
今の職場でも、塾屋さんのモノを手掛けることがあるけれど、かつてのワタクシの経験から、他人事とは思えなくて、いきおい気合いが入る。
それにしても、タンドーのオッサンに拉致られて最初の「夏期講習」。ムチャクチャだったなぁ(笑)。
生徒はたったの5名。中3生3名、中2生1名、小学生1名……。たったそれだけしかいないのに、オッサン、講義の時間割りを作れないのだ。
仕方がないから、かつてオッサンと一緒にやっていた、クルマのレースの如く、結局ワタクシが全てのタイムスケジュールを組み……たしかそれが仕上がったのが、夏期講習の始まる2、3日前、という体たらく。
この打ち合せの時、ワタクシひとつの提案をした。
「昼飯、どうする? せっかく台所もあるんだし、何ならみんなで作りっこしません?」
意外にも…タンドーのオッサン、猛反対。
「授業中に美味そうな匂いがしてきたら、授業に身が入らなくなるし、だいいち生徒が一緒に喰いたいなんて云ってきたらどうする? そうすると“講師”と“生徒”の間の壁が崩れる。それはダメだ!」
ところがそれは「建前」だったようで、「おとなしく、なるたけ匂いのしない料理」にして「あくまでも講師だけの“賄い”で、生徒には提供しない」ということで実行することになった。
これが結局…。約40日に及ぶこの夏の夏期講習の間、ビルオーナーのミゾさんまで巻き込んで続いたのだから、可笑しい。
もっと可笑しいのは、当のオッサンで、午前中授業のない日こそ、やけに生き生きして、アタマにタオルを巻いて大汗かきながら、嬉々として台所に立ってた。さらには、夏期講習が終わったあとも、台所で何やら怪しげな食い物を作り、腹っ減らしの生徒達に食べさせては、悦に入っていたのである。ペット用お肉が主原料のシチューやら、「白鳥の餌」として格安で売られているパンの耳を天麩羅廃油で揚げた代物やら……。
楽しかったなぁ、あの夏。福島は盆地だから、昼の暑さが一段厳しい。あの夏は、毎日平気で「35℃オーバー」したし。窓をあけると
♪わ〜らび〜、餅、つ〜めた〜くて、お〜いし〜いよ、早く来ないと、行っちゃうよ〜♪
と、妙に耳に残る売り声が流れていた、あの夏。
もう6年も、前になるんだなぁ。
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