桃栗三年、柿八年
種を蒔いて、実をつけるまでこれだけかかる、という、古くからのコトワザである。
続きがある。
「梨のバカヤロ、十六年」。
うちの団地の敷地内に、梨の木が一本生えている……、と、知ったような言い草だが、実はこの秋初めて気が付いた。
ふと見たら、手の届きそうにない高いところに、黄金色の実が、ちらりほらり、なっている……。木の下を覗いたら、それほど傷んでないのが二つ転がっていたので、拾ってきた。
売り物の梨よりかなり小さくて、ピンポン玉と野球のボールの中間位の大きさ。色は赤っぽい。
冷蔵庫で少し冷やして、食す。
結構固くて、梨独特のザラザラ感と甘味が強く、酸味が少ない。……お、懐かしいな、この味。
あ、これ、今ほとんど売ってない「長十郎」じゃね!?
たぶん、この梨の木は、昔の団地の住民が捨てたか、野鳥が糞として落とした種から自然に芽生えたものだろう。だから、純粋な長十郎ではないだろうけど。
でもまぁきっと、16年以上の時を経て、ワタクシに懐かしい味を恵んでくれたのだ。
ごちそうさま!
団地の片隅の梨の木さん、来年もよろしくね。
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