ここだけの告白
先日「時そば」を演って好評だった話を書いたのですが……。
実はワタクシ、蕎麦が食べられません!
好き嫌い以前の問題で、どうにも身体に合わないようなのです。食べて食べられなくはないし、美味しいと思った蕎麦もあるけれど……。食べてしばらくすると、胃が「キュ〜ン」と熱くなる。それが出たら、安静にして、できればそのまま眠ってしまえば何事もないのだけど……。恐らく一種の、ごく軽い蕎麦アレルギー。小さい子供のときからそうで、家の食事が蕎麦のときは、ワタクシだけ、別メニューを用意してもらってました。
ただ、今は好きになった納豆、未だに不得意なゆで卵・目玉焼きも、実家にいた頃はからきしダメだったので、ワタクシの別メニューは我が家では、日常茶飯だったのですが……。
20歳を過ぎて納豆を克服し、卵も山ほど調味料で匂いと味をごまかせば何とかなるけど……、蕎麦は……。
ネオライフの「裏」、タンドーのオッサンと、だから、10年近く前。北海道に音威子府という小さな村がある。学生時代に何かとお世話になったことがあるのだが、そこの名物のひとつが蕎麦。
親友Tちゃんが、その名物蕎麦をお土産にくれた。ワタクシが蕎麦がダメとは、付き合いの長い彼にも「まさか」だったそうだ(笑)。
もちろんいただけるものは有り難く……でも、せっかくだから蕎麦の好きな人に味わってもらいたい。白羽の矢が立ったのはタンドーのオッサン。
案の定、オッサン大喜び。ゆで上がりの色の黒さに驚きながらも、嬉々として汁と薬味を支度し、美味そうにすすりはじめた。こっちもさすがに我慢できなくなり、オッサンの蕎麦の蘊蓄話を聞きながら、日本酒とともに美味しくいただくことができた。案の定、胃が暖かくなってきたけど、ええい、ままよ! 二段ベッドの上段に上がってそのまま寝る。起きて体調が思わしくなかったら、会社に欠勤連絡だけ入れればいいや!
不思議とその日は無事、済んだ。確か、欠勤もしなかったはずである。
なんだ、大丈夫じゃん。
そう見くびったのは、甘かった……。
それからしばらく経ったゴールデンウィーク。全部仕事のつもりにしていたら、直前で「全部休んでいいよ」とゆわれ……。
でも、こういう休みがあったら行きたいところは決まってた。出雲。
その少し前に祖父が死んだ。そのドタバタのなかで、ワタクシのルーツのひとつが出雲で、しかもワタクシが名乗っている名字の城跡があるという。
早速、出雲ツアー、計画実践、始動。
出雲といえば、出雲大社。人生二度目の参拝。到着して、縁結びのお願いと、この歳で未だベターハーフに出会えないことを愚痴る(……未だ、ご利益が……苦笑)。
参道で目に付くのが「名物・出雲そば」。西日本は基本的にうどん文化圏だけど、日本海に面した山陰は、気候的には東北地方に近い。平地が少なく、山がちなところも似ている。だから、京都以西ではめずらしい、蕎麦文化が発達している。
その幟を眺めているうちに、腹の虫が鳴きはじめた。ついこの前の音威子府蕎麦、平気だったし……、そうそう、蕎麦とお酒が一緒は、こないだが初めてだった。納豆も、お酒とのコラボで克服できたから、蕎麦だってきっと!
思い切って近くの蕎麦屋さんに入って、蕎麦と、日本酒を注文した。
美味かったですよ、蕎麦も、お酒も……。
あいにくの天気、出雲大社前から松江へ向かう一畑電車に乗る。宍道湖側の席をゲットして……。
途中までは何事もなかった。ところが、松江までの半ば、一畑口のスイッチバックを過ぎる辺りから、お腹がムズムズし始めた。
こうなるとどうにもならない。景色などそっちのけで、お腹を抱えて冷や汗。停まる駅毎に降車の誘惑に駆られるけれど、次の電車まで何もない駅で二時間近くを過ごすなら、もう少し、終点まで我慢しよう……。
結果、終点「松江温泉駅」に着き、電車のドアが開くと同時にトイレに駆け込み、もったいないけど、お蕎麦とお酒をすべて戻してしまったのでした……。
そうなれば現金なもので、すっきりして、予約してあった東急インへチェックイン。近所をうろついて、ゴールデンウィーク、同じ時期の福島市のごとく灯の消えたようになってる飲み屋街の中で、珍しく営業していたお店に飛び込んで……。看板まで居座っちゃった。
あ〜あ、今回も、相変わらず長いなぁ!
てなところで、看板にさせていただきます……。
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