ハイ、ハイ、ハイ! ハイセブン
そんなコマーシャルテーマを、若かりし頃、どこかで聞いたような記憶がおぼろげにあるような気がする。……って書いたけど、ムチャクチャあやふやじゃん、この表現。まぁその程度のワタクシの認識ということで……。
これ、二本松の蔵本「大七」が出しているカップ酒。
大七は「生もと造り」という昔ながらの製法を守って、全国的にも高い評価を受けている。高いのは呑んだことがないけれど、一番安い普通酒も、充分美味いと思う。特に、燗すると……。
カップバージョンの「ハイセブン」は、カップが裸ではなく、箱入りの姿で店に並べられていて、ちゃんと「生もと造り」を唱っている。それでいて、値段は他の一般的なカップ酒と変わらない。
日本酒好きの人に喜んでもらえて、荷物にならなくて、しかもリーズナブルなのにちょいと見栄えもいいから「差し入れ」にピッタリ。
そこで、ワタクシ、差し入れには専らこれを贈ってきた。
でも、気が付いたら、自分でハイセブンそのものを味見したことないじゃん(一升ビンの大七はたまに買うけど……)、と思って、自分用に一本買ってみた。
うん、大丈夫! 間違いない。
でも……、呑むにつれ、どこかで呑んだ覚えが……。ラベルの裏の、大七の蔵の写真にかすかな記憶が……。
判った! 福島へiターンして、初めて迎えた冬。その年は夏がムチャクチャ暑かったせいかどうか、やたら寒くて、福島でも何年ぶりという大雪の降り積もった冬だった。
東京の実家へ正月帰省。格安高速バスの存在をまだ知らなかったから、鈍行列車を選んだ。
当時、松木町の私塾・慧學舘が入居していたギャラリービルの駐車場にクルマを置かせてもらって、福島駅まで歩く。並木通りの歩道がツルピカに凍っていて、シラフなのに滑って転んだっけ……。
雪がちらつく中、お約束のカップ酒とつまみをキヨスクでゲットして、ホームへ。黒磯行きは……、ああよかった、701じゃなく719。
一面の雪景色を眺めながら、酒のカップを開ける……。その雪景色とともに楽しんだ酒カップのラベルの裏が、蔵の写真だった……。
その冬は、異常だった。白河を過ぎ、黒磯で乗り換え、宇都宮でまた乗り換え、大宮までの間、ひたすら外は一面の銀世界。埼京線〜武蔵野線に乗り換えても、変わらない。親父に迎えを頼んだら「雪が深くてクルマが出せないからダメ」と断られちゃった……。東京は、何十年ぶりという、雪景色の正月だった。
あ〜あ、この冬も……厳しそうだなぁ。
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