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2011年1月29日 (土)

豆腐にまつわるエトセトラ・2

豆から豆腐を作ったことが、一度ある。

今を去ること十年かそこら前。場所は、旧ネオ・ライフ裏のタンドーのオッサンの居住スペース。略して“ネオ・ライフ・スペース”。

オッサン、「美味しんぼ」で、“汲み出し豆腐”と“引き上げ湯葉”の話を読んで、萌えたらしい……。「“卓”、ジューサーミキサーあるか?」と突然の電話。うまいこと(まずいこと?)に、うちには、勤め先のボスの引っ越しを手伝ったとき、せしめてきたジューサーミキサーが!
「“卓”、行きま〜す!」と、どこかで聞いたようなセリフを返して、早速「ネオ・ライフ・スペース」へ。

顔を合わせて、鳩首談合。「豆はいいけど、ニガリは?(今はブームもあって、手軽に買えるけど、当時はそこらじゃ売ってなかった)」「うん。薬局で売ってるんだけど、バカみたいに大量だから、近所の商店街の豆腐屋さんに掛け合って譲ってもらった!」
それならOK。夕方、豆と酒と肴を買い出しに行き、豆は水に漬けておいて、二人で例によってしたたかにきこしめす……。

これまた例によって「♪飲み過ぎ〜、食べ過〜ぎ、二〜日〜酔〜い、吐き気して、苦しい飲み過ぎの、あぁ食べ過ぎの〜朝〜」を、グッタリ迎える。でも、日が傾く頃には二人ともすっかり元気になって「豆腐作り」に取り掛かる。

水に漬けて置いた豆を、水ごとミキサーへ。これで「生呉汁」ができる。鍋に移して加熱、煮立ったらサラシで漉す。サラシに残るのが、卯の花・オカラ、漉した汁が豆乳。
豆乳を今度は75℃に保つ。その作業をストーブでやった記憶があるから、たぶんこれ、冬だったのだろう。そして温度計は? お客さんで学校教師のGさんをそそのかして持ってきてもらったんじゃなかったっけ……。
そこへ水に溶いたニガリを打つ。少しずつ、少しずつ、慎重に……。すると、あら不思議、豆乳が透明な液体部分と、白い固体部分にフワッと分かれてくる。そうしたら、サラシを敷いた笊にあけて……。液体部分を漉すと、「笊豆腐」の出来上がり!

これがね……。今までなんぼ豆腐を食してきたか、見当がつかないけれど……あれほど豆の味と香が濃くて、ふんわりした中にしっかりした食感があって、しかも嫌味のない豆腐には、ついぞお目にかかったことがない。もちろん、自らが手塩にかけたひいき目もあるだろうけど……。


オカラも美味かったし、もちろん豆乳を少し取り除けて作った、汲み出し豆腐も、引き上げ湯葉も!

そしてもう一つ。普通の大豆と一緒に買ってきた「丹波の黒豆」。オセチ料理に使うアレ。値段の高さ(一袋600円くらいだったと記憶)に渋るタンドーのオッサンを「じゃ、これはオレが金出すから」と説き伏せて一緒に買ってきて、大豆と一緒に水に漬けておいた。もちろんこれでも、実験!

ところが……「黒豆」は、普通の大豆に比べて澱粉質が多いようで、豆腐としての“歩留まり”が、悲しいくらい悪かった。ただ、見た目も味わいも、普通の豆腐とは全く違うものが出来上がって驚いた。それは……ピンク色の、甘い豆腐!


今は、ニガリが簡単に、適量、手に入りますから、お時間があればぜひお試しください。
市販の豆乳でもできるけど……、やっぱり“豆”から作ってみて。そのほうがきっと、味わいがひときわ増すでしょう。

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