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2011年6月14日 (火)

哀しいはなし

最初は「嬉しいはなしと哀しいはなし」で、まとめようと思ったけど、ケータイから投稿という都合上、話をふたつに分ける。そして「好きなものは、嫌いなものより後へ残したい」ワタクシの性格なので、哀しいはなしを先にする。

友人I氏。先日、妹君の結婚式があって、会場で、ワタクシもこの2月にお世話になった、山形K町の叔父さん叔母さんと話をした……。

K町では、今“Fukushima”からの避難民に、大ブーイングが起きていて、ボランティアが続々、減っているそうな……。

K町の皆さんが、温かい気持ちで材料を整え、心を込めて炊き出しをした食事。
「こんな不味いものが食えるか!」
と罵倒して、皆が見ている前で、それをゴミ箱へ投げつける輩がある。そいつは、やれ「寿司が食いたい」「うまい酒が呑みたい!」「オレは国の、東電の被害者だ! だから、今のオレの支払いは、みんな国や東電持ちなんだ、ガハハハ!」と云っては、毎晩豪遊している、という。

馬鹿馬鹿しくて、そんなヤツには付き合ってられるか! K町では、大いに顰蹙を買いまくっている、という。

顰蹙を買うのは当たり前だ。たとえ“被害者”だとしても、向ける矛先の見当が違う。

しかし、世話になっている先に、行き場のない欝憤をぶつけるしかない……これも、どうしようもないことなのかも、とも思う……。

「でもよ、オマエはよォ、今、そんな極限状態に、いねぇだろうが!」

……まさに、ごもっともで……。極限の立場にいないワタクシに、それがわかるわけがない。
でも……だからって、人の好意を踏みにじり、自分のみならず、一緒に避難してきて、懸命に耐えている大多数の人たち、そして避難民でないワタクシ達までに「風評被害」をもたらしかねない、そんなワガママを平気でできるなんて……。ワタクシには、その気持ちが、サッパリ理解できない。

過日、バイト先で、何度、罵られたっけ……。夕方、気温が急上昇したら、四六時中、怒鳴られたっけ……。


みんな、ふだんは、おとなしくて、いい人なんだろう。でも、そこへちょっとしたイライラ要因が重なると、あっという間に格納容器の限界を超えてしまう……。


みんな、みんな、ちょっと待て。一時のヒートアップを爆発させたら、取り返しがつかなくなる。

冷やせ、とにかく冷やせ、浮かれるな。事態が終息しなかったら、この先どうなるか……それを考えよう。


Fukushima避難民の「暴挙」は、ごくごく一部の悪質な馬鹿タレの仕業であるだろう。でも、その悪質馬鹿タレの言動は、ものすごく目立つのだ。善意で支援をくださっているかたがたに「自分の善意」が馬鹿馬鹿しいと感じさせてしまうほどのインパクトで……。


これほどの災害だ。K町に現われたチンピラなんかは、結局将来自分で自分の首を絞めることになることなんかに、何〜んにも気が付かない(気が付けない)、鈍い哀れな畜生にすぎない。

もっと巨大な私腹を肥やそうとしている「災害ゴロ」なんて、いてほしくはないが、必ず、どこかで、すでに、何かの糸を引いているだろう。

これを完全に撲滅なんて、たぶんできっこない……だったら?

ワタクシは「性善説」を保ちたい。でも、こんな話を聞くと揺らいでしまう。
でも、何より哀しく恐ろしいのは、自分の中にも、そんな、ケタクソ悪い性格が、必ず潜んでいることに、ふっと気付くことだ……。

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