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2011年7月29日 (金)

新ジャガ寄席と、罹災証明書

以前職場でお世話になっていた、大越さん。今はとあるNPO法人の理事をしていらっしゃる。
その大越さんの肝煎りで、わが職場にほど近い「水保農村婦人の家」にて開催の「新ジャガ寄席」をやってきました。

根多帳
 とんぼ「つる(水保バージョン)」
 ツイ輝「お芋の袋」
 笑 遊「猫と金魚」
 すゞめ「たらちね」
 いさん「不精床」

 大入叶

昨夜いさん師匠から電話。「仕事の関係で行けなくなちゃった・・・」・・・じゃ、2席演るようかな? とあれこれ画策していたら、朝からの「水爆弾」で、いさん師匠の仕事が中止になって、当初のメンバーが揃いました。ホッ!
お客さんの入りは今ひとつでしたが・・・、主催の大越さんが、古くからの我々のご贔屓。「ナマの落語は初めて」というお客様をリードして笑ってくださって、なによりいちばん喜んでくださいました。有り難い限り。帰りにはたっぷりのお土産を持たせてくださいました。ありがとうございます!

しかし、開口一番って、難しいなぁ・・・。お客様をこの先の「落語ワールド」へ導かないといけないのですから・・・。プロの世界で、前座さんが「開口一番」をつとめるしきたりになっているのは「お客様を引っ張る力」を付けさせるためなのかもしれないなぁ〜、と、近頃つくづく思います。落語ワールドって、談志師のことばを借りれば「イリュージョン」、もう少し一般的(?)なことばなら、ある種「異世界」・・・。東日本大震災で液状化した街にある「某・ネズミ園」の演出を、ひとりでこなさないといけないわけで(解りにくい例えだなぁ)。ツイ輝兄さんの噺にワタクシが及びもつかないところは、この「開口一番」でお客様を引き込む経験が、絶対的に不足しているからなのでしょう。

「前座噺」の内容も、そう思うとうなずけます。しかも「開口」だったら、基本をしっかり演るのが大事になってくるでしょう。その点・・・今回のワタクシの「つる」、そして6月の仙台での「紀州」は、いじりすぎ、なんだなぁ。「楽屋噺」「時事問題」は、あんまり開口で演るものではないのでしょう。

色々と勉強になった会でした。大越さん、スタッフの皆様、ご来場のお客様、そして来演の仲間の皆様・・・ありがとう存じます。

「福島盆地を毎日東奔西走」通勤しているワタクシ。また、水保地区をはじめ、福島市の西の方へも、落語をお届けして行ければと思っております。どうぞよろしくお願いします。



さて「新ジャガ寄席」が終わって・・・今日は夕方、何しよう。
あ、そうだ。市役所に行こう。今度の選挙サンデー、アルバイトかも知れないし、この間、団地の管理のオッサンが「間違って“卓”さんの住民票、シュレッダーに掛けちゃったので送って下さい!」なんて云ってたし。
それで初めて「新装・福島市役所」へ。
まぁ・・・立派だこと! 20年前なら、某夕刊紙にくさされたぞい。
期日前投票をして、住民票をとって・・・しばらく「市役所内見物」と、洒落る。残念ながら、眺望のすてきな9階「食堂」は、閉店後・・・。すぐに、1階へ降りてきた。で、目に付いたのが「罹災証明書受付」。
別に高速道路に乗ることもまずないし、何に使うわけでもない(だいたい、うちの被災した「家財」なんて、みんなとっくに耐用年限を超えてるし・・・)。「そうだ! こんなモノ、今でなけりゃもらえないべ! 震災経験記念品としてもらっておこうか」という、いとも不謹慎な気持ちになって窓口へ。開口一番、
「高速道路ですか?」
と訊かれて・・・機先を削がれる・・・。まさか「記念品にします」なんて云えないから「・・・あ、あぁ、そう、です・・・」と、曖昧な返事をした。
「写真はありますか?」
「あのぉ、ケータイに入ってる画像しかないんですけど・・・」
「あ、それで大丈夫です。」
そこで、本棚と、Macのひっくり返った写真を引っ張り出す。
「あ、OKです。じゃ、この書類に書いて下さい」
備考欄に「携帯画面で写真を提示」と、記入するように云われたので、従う。
「少々、お待ち下さいね」
で・・・係の方が、市の控のコピーを取って、さっきワタクシが書いた紙そのものをくれて「はい、これが証明書です」
え? それでいいのかい?
Photo


福島市民なら、地震当日、家の中がガチャガチャになってしまったのを撮影した、ケータイ写真でも、デジカメ写真でも、プリントを持って行かなくても罹災証明がとれます。しかも、ごく、カンタンに。
ただ、ねぇ。これを偽造して、悪どいことをする輩もいるようなので・・・ここに掲載した画像は、偽造防止のため、山盛りの画像処理を行っておりますです。

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2011年7月25日 (月)

キタ〜ッ!

今日7月24日(日)は、AOZ寄席。

 根多帳
  みそ家笑遊  「紙入れ」
  しお家小笑  ギタレレ漫談
  中野ケロ美  「桃太郎」
  裁落亭とんぼ 「勘定の神」
  中家すゞめ  「堪忍袋」
  楽しく亭ツイ輝「お芋の袋」
  二松亭ちゃん平(茨城より・ゲスト)「学校へ行こう(創作)」
  酒飲亭いさん 「不精床」
 大入叶!

 ワタクシは久々の「ネタ卸し」。元ネタを「本(三遊亭圓窓師『おもしろ落語図書館』)」からとって、久々に音源なしの稽古は、結構辛かった・・・。出来も・・・ごめんなさい。それなりでした。もう少しオカミさんのヒステリーぶり、八公の慌てぶりをしっかりやれるといいかなぁ。
 ちゃん平さんの噺は今日、初めて伺いました。まぁ、迫力、まぁ、押し出し・・・。さすが、前回の社会人落語日本一決定戦、決勝進出の腕前。本題ももちろん、マクラ、3.11大地震のときの、ちゃん平さんの職場(学校)で起こったあれこれ。もちろんその場ではたいへんご苦労なさったには違いないけれど、学校という場所ならではの人間模様に、楽屋で聴きながら、ゲラゲラ笑わせていただきました。

さて・・・今日は帰宅が、ちょっとドキドキ・・・。階段下の集合ポスト・・・「? 空っぽだ・・・まだか」。で、4階の部屋へ上がると、ドアの把手に、封書の入った袋が!

キター!キタ〜ッ! 入場券!

それはいいけど、前後の段取り、何も考えてないじゃん……。
一応、福島で、まともな社会人のフリ、してるからなぁ……。
まだ2ヵ月近くはあるから、根回ししなくちゃ、ね。

ちなみに、偶々、夜は町内防災会の「暑気払い」。皆さんに「書類通過」を祝っていただいて、またもやメルトスルーするところでした・・・。

明日は「キンシュ勲章」だな・・・。

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2011年7月16日 (土)

しばし“避難”?

しばし“避難”?
3連休で関東へ来ております。スカイツリー、完成間近。

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2011年7月10日 (日)

今日まで3日連続

高座なのでありました。

昨日9日は「元気発信! AOZ祭り 笑座福島(ShowTheFukushima)。午後1時半から、結局終演6時半近くまで。

根多帳

 第一部
  すゞめ「まんじゅうこわい」
  小笑【漫談】
  画楽多「喋る花(創作)」

 第二部
  とんぼ「青菜」
  平三「寿限無」
  シャベルカー【漫才】「笹蒲ランド」
  笑遊「悋気の火の玉」
  いさん「はんどたおる」

 第三部
  ツイ輝「粗忽長屋」
  ケロ美「子褒め」
  シャベルカー【漫才】「サバイバル・リコーダー」
  すゞめ【紙切】「浴衣でデート/花魁(おいらん)/マルモの掟」
  平三「紺屋高尾」

 大入叶


長丁場の寄席にもかかわらず、一番太鼓から打ち出しまでお付き合いくださったお客さま、多数! 誠に有り難く存じます。また、短時間でもお付き合いくださったお客さま、ありがとうございます。そして演者とAOZ祭のスタッフの皆様、お疲れさまでした!

ワタクシのなかで、本日一番のヒーローは平三くんでした。寿限無はたいへんウケていたし、トリの高尾なんて、袖で聴いててホロリとさせられたしまいました……。
ワタクシは、稽古足らずで、落第点……ど〜も、すいません!

ところで、全行程お付き合いいただいたお客さまのうち、何だかとてもよく知っている気がするかた……どなただったっけと、ずっと悩んでいたら、一日過ぎてついさっき、晩飯の支度をしていて、ようやく思い出しました! あぁ、ナナミヤさんじゃないですか! 以前、さんざご馳走になったご贔屓さん。御見逸れしまして、たいへん失礼をいたしました! ご子息が同じ会場で歌ってらしたのに、こちらに張りつきでいてくださいまして……改めて御礼申します。

今日10日は、JA伊達みらいさん直売所「んめ〜べ」オープン2周年イベントの中での落語会。

根多帳
 ツイ輝【スタンディング落語】「芋俵」
 すゞめ【紙切】「浴衣でデート/猫/マルモの掟」
 とんぼ「つる・伊達バージョン」

 大入叶

炎天の野外、ウイングトラックの荷台の高座、という、出演の面々初体験のシチュエーション。
ツイ輝兄さんは、高座に上がらず、マイクを握って客席へ近寄っての【スタンディング落語】。おかげで、お客さまも暖まり、あとがとてもやりやすくなり、とても助かりました。
すゞめ姐さんは、吹く風に苦労しながらの紙切。特に“マルモ”は、子供たちが歌にのって踊ってくれたりして、たいへん楽しいひとときを作り上げてくれました。
ワタクシは……東北学院大落研部長の、かすみさんの高座にヒントをいただいて、改作した「つる」。しかしまぁ、この3日間、もろに稽古足らずが出まくり……心配していた「浜辺に立って……」が、やっぱり口を突いて出ちゃったし……。でも、“半田山”と“知恵を出さないと助けないぞ!”は、目論み通り笑っていただけたので、オマケで合格にしてあげましょう。
お付き合いいただいたお客さま、「んめ〜べ」スタッフの皆様、ありがとう存じます。また、暑い中、懸命なアトラクションで楽しませてくれた、波恵ダンス、バンドのしゃわーず、みちのくボンガーズの皆様、お疲れさまでした!
そして、ツイ輝兄さん、すゞめ姐さんにも、改めて感謝いたしますデス。

あ〜〜、くたびっちゃ(笑)!

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2011年7月 8日 (金)

桑折・かやのき学園落語会

今日8日は、桑折町の高齢者大学「かやのき学園」にお招きいただき、朝9時半からの落語会。
公民館ホールいっぱい、先輩がたにお集まりいただきました。


根多帳
 笑 遊「紙入れ」
 ツイ輝「粗忽長屋」
 とんぼ「カラオケ病院」
 小 笑 漫談
 すゞめ「堪忍袋」
 いさん「不精床」

 お囃子 小染社中


大入叶


笑遊師の事前の心配もナンノソノ、賑やかに笑っていただけるお客さま揃いで、演者のほうが却って楽しまさせていただいたかな? という“盛会”でした。かやのき学園学生の諸先輩、スタッフの皆様、ありがとう存じます。

それで……今日は、ツイ輝兄さんの高座について。以下、偉そうなことを言いますが、ご勘弁!


兄さん、この夏は「粗忽長屋旬間」に入ってらっしゃるようで、6月の中合寄席から「粗忽長屋」で通されてる。

実は、中合のとき、裏で「あっ“粗忽”だ! 大丈夫かな〜」と、聞き耳立てていたのです。……でも、笑い所でしっかりお客さまを掴んで、うらやましい高座……。狸のツイ輝、いよいよ粗忽のツイ輝に化けました(と書くと、訳がわかりませんが……笑)。
AOZ寄席では袖から、「らくごのくに」では正面から拝見。語り口も安定して、それぞれお客さまの反応もよくて「兄さん、とうとうトラウマ乗り越えたなぁ!」と、喝采を送りたい気分です。
で、今日は、出番待ちで、斜めから拝見しました。出囃子も「狸」卒業?

ちょっとだけ、気になったことを……。
兄さんのことなど云々できる柄ではないのですが……「視線」が……。ワタクシもカミシモ振りすぎる傾向がありますが、兄さん、まだ、カミシモの納まりが……。
弁舌がとてもいいので、あとは人物の「定位」がしっかりすれば、会場みんなを、スッと噺の世界に引き込んでしまうようなものになるでしょう。
もう一つ“絵草紙屋”のシーン。確かに“八公”のマメなそそっかしぶりを象徴するシーンではあるのですが……ただ“絵草紙屋”というコトバが“へっつい”と同じくらい、判らないものになっちゃっているので……せっかくテンポ良く進んできたのが、あの場面でダレて、とてももったいない……。思い切ってカットして、前の熊公を叩き起こす所に力を入れるか……噺は崩れちゃうけど「なんだよ、AKBの写真集(とか、時々の流行りのソフト、ETC.)の発売じゃん!」なんて持って行けば、さらに笑いがとれる……かも、しれません。
どうでしょう?

さて……ひとのことはさておき、自らの反省。
オリジナル替え歌「啼くな小鳩よ」を入れたのだけど……見事、大失敗! だいたい、替え歌詞ができ上がったのが昨夜半。しかも、メロディーがあやふや……。だから会場に向かう道々、ずっ〜と歌いながら行ったのに……ダメでした……。おかげでその歌を絡めたクスグリもダダ滑り……。
演目は「カラオケ病院」だけど、実質は「アカペラ病院(苦笑)」。ソラで歌えない歌を掛けるのは、義経にしないといけません……。
でも……他の歌全てでは、盛大な拍手をいただいたし、すゞめ姐さんにとても褒めていただいたし……、まぁいいかな(笑)。
それに、ワタクシがお手本にした柳昇師匠のCDでも「ハロー・グッバイ」なんか“元歌、いったいどんな歌?”と考え込んじゃうくらい、ヒドイ(笑)。
柳昇師匠に免じて(?)ご勘弁ください……。

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2011年7月 5日 (火)

やっぱり震災疲れ?

やっぱり震災疲れ?
などと云っては、今も避難所や仮設で苦しい暮らしを続けざるをえない、多くの方々に、申し訳ないけれど……。

一昨日の日曜朝からヤバイ気配のあった、十年来の持病「痛風」が……月曜未明に見事、発作を発症。

福島生活7年、歯科に二度、耳鼻咽喉科に一度行ったきり。困ったことに、内科のかかりつけがない。痛風くんも、ずっとおとなしくしてくれてたし……。

水をガバガバ呑めば、少しは験があるか、と、試してみたけれど……、ちっとも痛みが治まらないまま、夜が明けた。

幸い、まったく歩けないほどではないし、なんとかクルマも転がせそうだ。だったら、今後世話になることも考えて、通う便利のいいお医者さまに行こう……。
大病院は、端から却下。待たされるのは嫌だし、かかりつけで手におえなくなったときや、緊急時に初めて行くところだろう。
だから、ワタクシのかかりつけになってくれそうなお医者さまを、探してみよう……。

日赤近くの某医院に目星を付けて、まずは電話を入れてみる。歯科も耳鼻科も、飛び込みで駆け込んで、いまひとついい目をみていない。わずかながらでも事前リサーチだ。電話応対が良くなかったら、ほかを当たろう。

電話に出た看護師さんか、事務員さん、ちょっとぎこちなかったけれど、ツッケンドンではない。よし、ここに世話になろう……。

裏通りの、小さな医院。でも、駐車場はちゃんとあるし、建物は綺麗で洒落ている。恐る恐る中へ。履物を脱がないでどうぞ、と書いてある。今風だ。

空いてる(笑)。清潔だけど殺風景ではない待合室に、先客はおばちゃん一人……。受付を済ませると、間もなく診察室へ案内された。


先生は、ワタクシと同年くらい?の、どことなく猫科な女性。ワタクシの問診をしながら、手元のパソコンに手際よく文字を打ってゆく。見慣れない光景だなぁと思ったのだが……、あぁ、要するに“カルテ”が電子情報になってるのか! なるほど……。

実は、痛風発作というのは、起きてしまうと、まずは対症療法で、腫れと痛みが収まるのを待つしかない。そこはワタクシも経験者だし、先生は専門家、話が早い。問診、採血、その場でわかる数値の説明の後、鎮痛剤と胃の薬、湿布の膏薬を処方してくださって「詳しい検査結果はまた聞きにきてくださいね。お大事に」と送り出された。ここまで約30分。手際がいい。

そんなこんなで、昨日は寝不足、気疲れ相まって、一日中臥せっていた……。

しかし、先日からの胃痛といい、今回の痛風発作といい、この所気になっていたメタボチックなお腹周りといい……。やっぱり「震災ストレス」に発する暴飲暴食が原因だと思われる。
でもまぁ、どうにも手の施し様がなくなる手前で、身体がちゃんと警告を発してくれたのだ。そう思うと、プックリ腫れた、右足親指が、いとおしい……。


さっき「正座」してみたら、座っているぶんには支障なし。今週末控えている「3高座」、大丈夫だな……稽古を怠らなければ(苦笑)。

皆さんも、お大事に!

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2011年7月 3日 (日)

本歌取り、または換骨奪胎

う〜む……。キンシュ勲章は、なかなか取れないなぁ。
今日のアルバイトがやけに激務だったから、ガマンできなかったのね。しかも朝から持病の通風発作の、ごくごく軽いのを起こして、右足親指付け根が腫れて痛いってのに……。「一番搾り」と「純米酒」買って帰って来ちゃった……。3日と保たないんじゃ、しょうがない。馬鹿、馬鹿!(但し、今朝から、胃の調子はまぁまぁ悪くないんだけど……)

まぁ、中年のオッサンの病気自慢は……それはそれとして。

昨夜「第一回・らくごのくに」に、半分スタッフ半分観客で参加してきました。

根多帳
 酒飲亭いさん「へっつい幽霊」
 光家平三「ねずみ」
 楽しく亭ツイ輝「粗忽長屋」
 みそ家笑遊「悋気の火の玉」
 中家すゞめ「幾代餅」

御来場のお客さまが「ツ離れ」していただいたうえに、噺の聴かせどころでしっかり笑っていただける、という……、とてもとても小さな会だけど、出演の皆さんにジェラシーを覚えてしまうような、今までにない「濃ゆい」席でした。

大入叶!
御来場のお客さまに感謝。
席亭いさん師匠、出演の皆さんに、喝采!

その中で今回、ワタクシのツボにはまったのは、平三くんの「ねずみ」。
古典落語って、あんなに壊しても、成り立つのですねぇ! 遊雀師匠の「初天神」の金坊ばりの「卯ノ吉」、松の幹を彫ってできた鼠だから「ミッキーマチュ」、そのミッキーが、鬼太郎の目玉オヤジのごとく、甚五郎の肩にちょこんと載ってしゃべる様子……。中でもワタクシが一番はまっちゃったのは、虎屋の虎がミッキーの桶の周りをグルルル、グルルルと回っているうちにすっかりとろけてしまうシーン。平三くんは知ってるかなぁ「ちびくろサンボ」という、絵本。アフリカの少年サンボが森へ出かけて、虎に襲われる。サンボが手近な木に登って逃げると、追い掛けてきた虎が「グルルル、グルルル」と木の周りをすごい勢いで廻りだす。そのうちに……、虎が足の方からだんだんとろけて、しまいにバターになってしまい、サンボはそれを壺に入れて持ち帰り、とても美味しいホットケーキを焼いて食べましたとさ、という、ごくごく他愛ないお話。ワタクシは子供の頃大好きで、何度それを読んでゲラゲラ笑ったか……。ただ、この絵本「人種差別だ!」と騒がれて、しばらく本屋
の店先から姿を消していた、という……。だから、ここでゲラゲラ笑っているのは、まぁ大体、ワタクシ位の世代でしょう。「ねずみ」では、それが某・仙台銘菓の由来噺になるばかりか「遊雀金坊」卯ノ吉のセリフが、ちゃんと伏線に張られている、という周到さ!

平三くんオリジナルではないにしても、ワタクシには目から鱗の一席でございました。


しかし、これを聴いて「落語は古典芸能なんだなぁ」とも思いましたよ。なぜって「下敷きになっているもとの作品」の知識があって、初めてわかって笑えるクスグリを、いくらでも入れられるんだもの。

これを、ワタクシのかつての商売、国語の専門用語で“古文”においては「本歌取り」“漢文”においては「換骨奪胎」と、申します。単なる「パクリ」ではなく、あくまでもとの作品を下敷きにして、違う世界を表現するというのは、古来、高等な技として、喜ばれていたのです。

今回の噺、プロの噺家さんのコピーかもしれないけど……あれだけ堂々と一席つとめられるのは、たいしたものです。しかし前期試験期間中だってのに、何やってたんだか(笑)。まったく、平三くん……、侮れません!

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2011年7月 1日 (金)

キンシュ勲章

どうもこの頃、胃の具合がよろしくない。
朝の寝起きが特によくない。朝食代わりの、たっぷりの「緑茶・オ・レ」を飲んで一服すると、汚い話だが、ちょっと戻しそうになるというのが、春の中頃から続いてた。

先日、仙台の落語こんてすとで、高座を降りた後から、四六時中、胃が重い状態に。“こんてすと”だからって、そんなになるほど極端に緊張したような自覚はなかったのに。

今日まで、もやもやした一週間……、原因は、何だろう? と究明してみたところ……。
心当たりは ♪呑みすぎ〜、食べす〜ぎ♪ すなわち「暴飲暴食」と「速食い」。これは……改めないと!

まずは「節煙」。会社での朝と昼飯あとの一服を、やめてみる。♪なんてったって〜、禁〜煙♪

「禁酒」。偶々今日は、我が家の酒が品切れ。買わずに帰宅。

「ツルツルのまず、かめよカメカメ」。意識して、ゆっくりよく噛んで食す。食事のお供は、お酢の水割り“Sit down(オスワリ)”。


甲斐あってか、今はまあまあ、良い具合。明朝の寝起きや、如何に?

しかし、やっぱり、震災発生以来の、生活の変化が、じわりじわりと影響しているんだろうな。

この先、お酒をおいしく呑みたい機会が、いくつも控えている。もちろんそれを存分に楽しみたい。だから「ウチ呑み」は、当分の間、自粛だなぁ……。

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