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2011年7月 3日 (日)

本歌取り、または換骨奪胎

う〜む……。キンシュ勲章は、なかなか取れないなぁ。
今日のアルバイトがやけに激務だったから、ガマンできなかったのね。しかも朝から持病の通風発作の、ごくごく軽いのを起こして、右足親指付け根が腫れて痛いってのに……。「一番搾り」と「純米酒」買って帰って来ちゃった……。3日と保たないんじゃ、しょうがない。馬鹿、馬鹿!(但し、今朝から、胃の調子はまぁまぁ悪くないんだけど……)

まぁ、中年のオッサンの病気自慢は……それはそれとして。

昨夜「第一回・らくごのくに」に、半分スタッフ半分観客で参加してきました。

根多帳
 酒飲亭いさん「へっつい幽霊」
 光家平三「ねずみ」
 楽しく亭ツイ輝「粗忽長屋」
 みそ家笑遊「悋気の火の玉」
 中家すゞめ「幾代餅」

御来場のお客さまが「ツ離れ」していただいたうえに、噺の聴かせどころでしっかり笑っていただける、という……、とてもとても小さな会だけど、出演の皆さんにジェラシーを覚えてしまうような、今までにない「濃ゆい」席でした。

大入叶!
御来場のお客さまに感謝。
席亭いさん師匠、出演の皆さんに、喝采!

その中で今回、ワタクシのツボにはまったのは、平三くんの「ねずみ」。
古典落語って、あんなに壊しても、成り立つのですねぇ! 遊雀師匠の「初天神」の金坊ばりの「卯ノ吉」、松の幹を彫ってできた鼠だから「ミッキーマチュ」、そのミッキーが、鬼太郎の目玉オヤジのごとく、甚五郎の肩にちょこんと載ってしゃべる様子……。中でもワタクシが一番はまっちゃったのは、虎屋の虎がミッキーの桶の周りをグルルル、グルルルと回っているうちにすっかりとろけてしまうシーン。平三くんは知ってるかなぁ「ちびくろサンボ」という、絵本。アフリカの少年サンボが森へ出かけて、虎に襲われる。サンボが手近な木に登って逃げると、追い掛けてきた虎が「グルルル、グルルル」と木の周りをすごい勢いで廻りだす。そのうちに……、虎が足の方からだんだんとろけて、しまいにバターになってしまい、サンボはそれを壺に入れて持ち帰り、とても美味しいホットケーキを焼いて食べましたとさ、という、ごくごく他愛ないお話。ワタクシは子供の頃大好きで、何度それを読んでゲラゲラ笑ったか……。ただ、この絵本「人種差別だ!」と騒がれて、しばらく本屋
の店先から姿を消していた、という……。だから、ここでゲラゲラ笑っているのは、まぁ大体、ワタクシ位の世代でしょう。「ねずみ」では、それが某・仙台銘菓の由来噺になるばかりか「遊雀金坊」卯ノ吉のセリフが、ちゃんと伏線に張られている、という周到さ!

平三くんオリジナルではないにしても、ワタクシには目から鱗の一席でございました。


しかし、これを聴いて「落語は古典芸能なんだなぁ」とも思いましたよ。なぜって「下敷きになっているもとの作品」の知識があって、初めてわかって笑えるクスグリを、いくらでも入れられるんだもの。

これを、ワタクシのかつての商売、国語の専門用語で“古文”においては「本歌取り」“漢文”においては「換骨奪胎」と、申します。単なる「パクリ」ではなく、あくまでもとの作品を下敷きにして、違う世界を表現するというのは、古来、高等な技として、喜ばれていたのです。

今回の噺、プロの噺家さんのコピーかもしれないけど……あれだけ堂々と一席つとめられるのは、たいしたものです。しかし前期試験期間中だってのに、何やってたんだか(笑)。まったく、平三くん……、侮れません!

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