本当に千客万来御礼申し上げます
第17回・福島テルサ寄席
根多帳
京の助 漫談&マジック
四迷「福島原発事故秘話(創作)」
小笑 時事漫談
順八 漫談&鉄道唱歌
とんぼ「カラオケ病院」
さや歌&桃子 詩吟
松太郎「裕次郎物語」
ひや奴 薩摩琵琶「白虎隊」
永生「青菜」
〜仲入〜
すゞめ「ちりとてちん〜顔晴っぺ福島ver.」
ツイ輝「だじゃれゆうれい」
ダーク 手品
左ん馬「鉄砲勇助」
雲 浪曲漫談
漫太郎 時事漫談
いさん「天狗裁き」
お囃子 小染社中
寄席文字&フォトグラファー 古事磨寿運
大入叶!!!
何より、いっぱい御来場くださったお客さま、ありがとう存じます。また、いつも演者一同を温かくサポートしてくださるテルサのスタッフの皆様に、感謝感謝。そして、出演の皆様、今回もとてもお世話になりました。ありがとう存じます!
しかし、テルサの高座、気合いが入るし、楽しいなぁ。
ここだけの話だけど……、どういうわけか、ワタクシが袖から一歩出たら、割れんばかりの拍手! ま、ほぼ“サクラ”に近いご贔屓さんが来場してくださってたおかげだろうけど(カツヤさん、ハルオさん、ありがとう!)。袖からずっと見てた中でも「上がり」の盛り上がりは、今回、たぶん一等賞。これは有り難い。
さて……打ち上げで、めくり文字とフォトグラファーを担当してくださった、こじまさんに伺うと……
「とんぼサン、今の柳好さんに雰囲気が似てる」と、おっしゃる。
残念ながらワタクシ、今の五代目柳好師の噺を聴いたことがない……。でも、実は、はなはだ、注目したい噺家さんだ。
その理由・1
ほぼ同い年。一年違い。
その理由・2
東京農大の同窓(こちらは卒業、向こうは中退……これでわかる。卒業したからって偉くなれるわけじゃない……苦笑)。
その理由・3
ワタクシの大好きな、柳昇師門下。
柳好師の経歴を初めて見たとき「あ! オレ、ひょっとすると……“柳好”になれちゃったりしたんじゃね!?」なんて、不遜なことを考えちゃった。
だってワタクシ、柳昇師匠も大好きだけど、先代の柳好師匠もたいへんに好きで、今も色々お手本に仰いでる(「時そば」と「味噌蔵」はモロコピー。まだやってないけど「道具屋」やるなら、やっぱりお手本に仰ぎたい)。
「唄い調子」の三代目柳好師匠も意識してるし(ワタクシの「青菜」は三代目がお手本。四代目の形もとても好きなんだけど……)。
初めてワタクシの高座を御覧になったかたから、そういう評価をいただいたわけで……。とても複雑な心持ちなんだけど「過去は過去」と割り切って、ほとんど接点がないのにもかかわらず、どこか似ちゃったという不思議さに驚きながら、大きな名前を継いだ若手の師匠に、はからずも似たことを、素直に喜ぼう、と思う。
今まで、これから書くことを書こう書こうと思っていたけど、まだ書いてないと思うから書く。
「落語の神様」が、きっと、どこかにいて。プロもアマも、落語を演る人間をすべて見ておられる。
神様から見てワタクシは「こいつ、とてもプロの修業には耐えられんなぁ」というレベルだったのか、深く傷つかないうちに、と、さっさとルートから外しておいてくれた。
でも、どこかで使い道がありそうだと目を離さずにいてくださったのだろう。しばらく勝手に泳がせておいて(本人には気取られないように)、プロのルートとは違うところで咲かせてみたりなんかしたら、ちょいと一風変わったものができちゃったりなんかして……、と、思ってくれたのじゃないかなぁ。
自分の足跡を振り返って、人生がどこでどう入れ替わっても、これには必ずハマっただろうな、という、もの・こと・ひとが、3つある。
ひとつは「落語」。
ひとつ(ひとり)は「タンドーのオッサン」。
ひとつは「Mac」。
落語のプロになってたら、今、福島にはいないよなぁ。
タンドーのオッサンに、たった一度だけ「店を継げ」と云われたことがある。そうなってたら、やっぱり、福島には来てなかった。おそらく落語もやってない。
「Mac」は……。たぶん、この、掴み所のはっきりしないものをなりわいにしたがゆえに、今の自分がいる。それにしたって、最も中途半端な「オペレータ」職。半ば職人、半ばクリエータ……。
まぁ要するに、何事も突き詰められないハンパな性格……。
それで一旦、落語の神様から見放されたんだけど(苦笑)。
でも、だからこそ、タンドーのオッサンにホイホイ付き従って福島へやってきて、今日みたいに落語やってられる、わけだ……。
……しかしまぁ、こんなに、やりたいことだけやって生きてられる人なんて、そうそうは、いないよね。
人並みな幸福とは、ちょっと(というより、だいぶ?)路線が違うんだろうけど、こんなふうに毎日好き勝手やってられるなんて……。
自分は幸せ者だなぁ、と思わずにいられない。
こんなアホな存在を許してくれる、周りのみなさんに、感謝感謝。
そして、いつでもどこでも、ワタクシの生きざまや高座を眺めてくれている「落語の神様」と……、タンドーのオッサンにも!
| 固定リンク | 0
コメント
福島の皆さんの演目…大会の予習ですね?!考えることはみな同じ…
人生の分岐点でもしもあっちに行っていたら…っていうこと、ありますよね。でも、なるべくして現在があるのかな…って思います。
人生いろいろです。
投稿: ミル | 2011年8月28日 (日) 22時59分
ミルさん、コメントありがとうございます。
出演人数をみていただけるとわかるのですが(総勢16組で3時間)この寄席も「10分しばり(笑)」。時期的にも「池田のおさらい・口試し」にちょうどいいというわけで。
実は今回のテルサ寄席、震災発生前は池田の予選と同日の予定でした(ちなみに昨年も同日でした。マクラで池田に出るため欠席された、いさん師匠をいじった覚えがあります)。それが震災の影響で別イベントが入って、一昨日に前倒しになって・・・。震災がなければ、ワタクシ、池田は見送って、テルサを選んでたでしょう。これも「なぁオマエ、ここで池田に出て来いやぁ〜」という、落語の神様の配剤?
投稿: とんぼ こと 卓 | 2011年8月29日 (月) 06時41分