プロの師匠による稽古会
米沢から二箇所寄り道しながら、山形へ。
前日、米沢で共演した間助さんが「明くる日、山形落語愛好協会のメンバーに、三遊亭小圓朝師匠が稽古をつけてくださるのだけど、よかったら来ませんか?」とお誘いをいただいた。幸い米沢泊りだし、20日・日曜は何も予定がない。
プロのお師匠さんが来てくださる稽古会、これは自分が直接ご指導をいただかなくても、見学するだけで、とてもためになる、というのは、すでに何度か経験済み。
少し早めに山形駅西口到着。駅前のマックスバリュで、トイレを借りつつ、売場を徘徊。スーパーの生鮮三品+日配品+お惣菜コーナーは、地域の食文化の差がモロに表れるので、品物の顔を眺めながら歩くだけで、何とも楽しい。そして「酒コーナー」! 時間とお金があれば専門の酒屋さんへ行ったほうがいいかもしれないけど、所詮ワタクシの予算は“一升1,500円未満”。バイヤーがよほどのアホでないかぎり、回転しない商品は大手スーパーは置かない。
カゴにご同行願ったのは、写真の「澤正宗(寒河江のお酒)」と……野菜の“お値打ち品棚”に転がってた「特大ブロッコリー50円! なぜか埼玉産」……。
澤正宗はいいとして……ワタクシの買い物センスって?
午後1時からの稽古会。
ご指導くださるのは、三遊亭小圓朝師匠、同門の三遊亭きつつきさん、小圓朝師匠を山形で後援していらっしゃる、熊谷さん。
ご指導賜ったのは、以下の演者・演目(敬称略)。
笑風亭間助「もと犬」
万一亭太助「貧乏神」
昔々亭註馬「たけのこ」
笑風亭佐と吉「転失気」
後で“ちょっと”書きますが、こういう会で、プロのお師匠さん方は、とても優しい。まず、褒めてくださる。そして「でもね〜、こういうところをね〜……」というひとことから始まる“お説教”を、褒められたからって舞い上がって聞き逃してはイケナイ(って、そこまでアホなら、芸事はしないほうがいい)。このお説教、言葉だけじゃなく「ほら、こうやるとネ」なんて、実演を交えてくださったりして、それがなんでもない仕草や表情だったりするんだけど、それだけで笑いが自然と湧いてくる……。
あの会議室テーブルの高座で、小圓朝師匠、輝いてた、とても楽しそうだった……という、他人事じゃないな……その気持ちがあの小さな会議室に広がって、あの時間を共有できた喜びに、みんながひたって……とても得難いひとときをともに過ごすことができて……ここで名前をいちいち挙げるとホントキリがないのでゴメンナサイ、各位に、大感謝!
ただ、ここに小圓朝師匠ときつつきさんからいただいたアドバイスは、ちゃんと残しておかないとね。
まずはきつつきさんのアドバイス。
1。普段、芸事ではない別の仕事をしていて、色々と可笑しな出来事に遭遇することがあるはずだ。プロの噺家という職業に就いてしまうと、そういう経験はなかなかできない。それはプロにはない武器。活用すべし。
う〜む……これは、池田で三枝師匠がおっしゃってたのと、同じだ……。
2。自分の演じる噺は、何を、誰を、そしてなぜそれを手本にしたのかを、はっきり意識したほうがいい。
高座に上がって噺をするということは、何かを伝えたいからだ。何を自分は好きで、何を伝えたいか、を、きちんと意識すべきだ。
……これは、次回以降の記事でも話題になるので、覚えておいてください……。
小圓朝師匠のアドバイス。
1。落語というのは、お客さまの想像に乗る芸だ。だから、お客さまの想像を掻き立てるような演出を心がけ、計算しよう。
例えばカミシモなら、あたかもそこに相手がいるように、しっかり意識して決める。高座という一人舞台、顔の向け方、声の張りかたひとつで、リアリティが変わってくる。
2。「癖」をなくそう
プロは前座修業で、徹底的に「癖」を直される。なぜかといえば「癖」を取り去ることによって、芸の幅が広がるから。だからアマチュアでも、気になる癖はお互い指摘しよう。伸びしろが拡がるから。
この記事の最後に。なぜプロのお師匠さんはアマチュアに優しいか。だって、みんなそれでファンになっちゃうから!
小圓朝師匠、きつつきさん、いつになるかわからないけど、いつかきっとチケット買って、観に行きます!(笑)
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コメント
よかったですね〜小円朝師匠、きつつきさん、私も機会があったら行かせていただきます。
ホントに定期的に稽古をつけていただいてる大阪、東京の方たちが上手くなるはずだと思います。
…って、私も月一で見ていただいてるんですが、めちゃ優しいので…
投稿: ミル | 2011年11月27日 (日) 18時52分
ミル姐さん、毎度ご来訪ありがとうございます。
月一で見ていただいている、なんて、うらやましいですねぇ。うちの会でも、年に一遍でもいいから、そんな機会がもてたらいいなぁ。
投稿: 卓 | 2011年12月 2日 (金) 08時21分