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2012年8月31日 (金)

池田へ“行かない”ことについて

改めて、言い訳します。

つい昨年「池田」に参加させていただいて“不通過でも、行こう!”と心に決めたくせに……あっさり「前言撤回」状態……。
これじゃ、どこかの国の政権与党と同じ。総スカンを食らったって、仕方がない。

でも、この夏、ハッキリ見えちゃったんです。自らの方向性が……。

それは……

「主催者(=席亭)側で、イベントを運営するスタッフでありたい」

わが45年の道程、これほどワタクシを捕えて離さないものは無い。

わずか数時間の「お祭り」のために、何ヵ月も前から段取りして、迎える当日の朝の、あの緊張感。
いざ開会すれば、それこそ想定外のトラブルの連続。
それを数々乗り越えて、迎える「閉会式」。そして……
何とも云いがたい疲労感に苛まれつつ、仲間達と酌み交わす、最高に美味い一杯……。

これは「エントラント」や、ましてや「観客」でいただけでは、到底辿り着けない境地……。

これを再び……そして、自分にしかできない事柄と場所を活用して、味わいたい。


K&Kクラブマンズミーティングが開かれる度、タンドーのオッサンが、ぼやいていた。
「俺が走りたくて作ったレースなのに、ちっとも俺、走れないじゃん!」
でも、そう云いながらオッサン、万更でもなさそうなニコニコ顔だった……。


ワタクシも、もう、オッサンがK&Kをスタートさせた年齢になる……。

池田の「不通過通知」は、悔しかったし、仲間の皆さんの応援に行かないのも心苦しいところだけど……

でも、いつかぜひ「東北に落語在り!“東日本ノンプロ落語大会”」の開催を成し遂げたい、という“野望”がアタマをもたげ……。

そんなわけで、この秋口は、手始めに足元を固めたい、と思った次第なのであります。
実現までには、まだまだ時間がかかるでしょうが、皆様にはぜひ、お力添えのほど……お願い申し上げ奉りますm(__)m。

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2012年8月28日 (火)

「談志 最後の落語論」

26日の日曜日。午前中に一仕事済ませて、午後、市立図書館へ“避暑”に。「最後の根多帳」を返して「最後の落語論」を手に取った。そして……館内でたちどころに完読してしまったので、今回画像は無い。

談志師の書く文は、ワタクシにはとても“気持ちのいい”文である。
どう云ったらいいのかな……無駄が無いわけではないし、単純に通りのいい文というわけでもない。読み手のレベルを斟酌しながら、これでもかこれでもかと繰り広げられる「自慢話」のオンパレード。馴染めない人には恐らくどうしても合わないだろうけど……ワタクシは、読んでいて、概ねいい心持ちになる。
ちょっとした“クセ”とか“フレーズ”など、真似したいところが沢山ある。

「最後の根多帳」の記事にも書いたことだけど、どこか傾向を同じくする人物と、長いこと付き合って来たから、なのかな?

惜しいことにワタクシ「生の談志」とは接点が無かったけど……

「人間の業」を肯定し「イリュージョン」を以て「江戸の風」の味を吹かせられる落語が演れたら、いいなぁ。

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2012年8月26日 (日)

AOZ寄席「夏休みの友」

根多帳
ツイ輝「大安売」
画楽多「誉田屋」
小笑 奇術と漫談
とんぼ「茗荷宿」
笑遊「代り目」
すずめ「厩火事」
平三「幽霊の辻」
 いさん「がまの油」

常連のお客さま中心に、今回も「空席以外は満席(笑)」。大入叶!


ワタクシ個人の反省。

「ふつうか」を気にしてはいないつもりだけど、目に見えて「尺取り」が、甘くなってる。しかも、延長傾向で……。

とは、思うけど。

今回のお客さま。
ワタクシの拙い噺に、こちらがいたたまれなくなるくらい、真剣にお付き合いくださって……。途中でマジで「茗荷のせい」にして、下がりたくなった……。けど。

「落げ」で、大きな笑いと喝采を頂戴しました。

ありがとうございます!

してやったり(笑)。

笑われるだけが落語じゃない。

そうですよね……、談志師匠……。

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恵比寿さま〜!

恵比寿さま〜!
「本物」缶ビールの6本セットを自腹で買うなんてことは、ここ10年以上、絶えてなかったことである。

以前ワタクシ、夏にはビール系飲料を切らしたことがなかったものだ。もちろん、段々、安い方安い方へと銘柄が移り変わったが……(苦笑)。
原付バイク“エイプ”を買った10年前、「缶ビールの24本箱」が積めないと困るので、姿がダサくなるのに目をつぶって、リアキャリアをわざわざ取り付けたっけ。だったら「スーパーカブ」にしておきゃよかったようなものだけど……「ちょっと格好つけたかった」のと、「カブは絶対ムリだけど、エイプなら何とかステップバンに載せられそう」というわけで、しかも中古激安極上モノに偶々巡り会ってしまったんだから、しょうがない。
ちなみに、当時エイプのキャリアによく載せていたのは「プリン体ゼロ・キリン淡麗アルファ」。もうはい“痛風持ち”だったのだ……。

ところがここ数年、ビール系飲料を滅多に買わなくなっちゃった。
なぜと云うに、夏は「直し」に、ハマってしまったから……(笑)。

しかし……今年の残暑はキビシすぎる。やっぱりビール系が欲しくなる。

そこで、かつて愛飲していたY店の激安品「G生」を飲んだんだが……。

「ん〜、不味い!((c)キューサイの青汁onヤナノブオ)」

決して「G生」の品質が落ちたわけではないだろう。

ただ、ビール系を家ではほとんど飲まなくなって、外で飲む機会が若干増えただけだ。

まさか飲食店に「第三」は置いてない。「本物」を堪能する機会が相対的に激増したわけで……こうなると、勢い「本物」しか受け付けられなくなる。
因果なもんだ……。

今日は、悩んだ……ビールが飲みたい。こうなったら「本物」しかない……昨日、大好きな「キリンラガー」を1本買って飲んだけど、あの酸味の利いた味もいいけれど、……あれは冬場に暖房ガンガン焚いたところのほうが似合う気がする……。

で……清水の舞台から飛び降りる気持ちで「恵比寿さま」にご同行いただいた。


「プシッ!」「トクトクトク……」……んめぇ〜〜!

図らずも「夢カード」3倍デーだったし、ネ! ラッキー、チャチャチャ!

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2012年8月24日 (金)

夏休みの“敵”

福島県以北の学校に通っている小中高生は、今週末が明ければ「二学期」。
みんな“シクダイ”片付けたかな? 当人より親の方がよっぽどヤキモキしてたりしてね!

北日本の学校の夏休みが短い、というのは、知識としては前から持っていたけど、切実に感じたのは、やっぱり福島に住んでからだ。しかもワタクシ最初「塾講師」だったし。

他の地方より、一週間も短い夏休み。北日本の子供たちは可哀相だ。つい昨日「甲子園」が終わって、一息ついたかつかないかで、あっという間に二学期突入……。紫紺の準優勝旗を持って帰っても、余韻に浸る暇なんかない。

「冬休みと春休みをトータルすれば休みの日数は変わらない」には違いないけど……でもね。

夏休み。
この“長さ”があるから、色々なことができる。
身体を鍛えてもいい。勉強にいそしんでもいい。もちろん、旅に出たり、アルバイトをしたりして、様々な体験を積めたら素晴らしい(この夏、不幸にもアルバイト先で事故に遭い、亡くなった中学生がいた。たいへん悲しむべきことだけど、ちゃんとお給料をもらっての「職業体験」は、貴重だと思う)。

ところで、福島へ来て、驚いたことがひとつある。
一学期の終業式の日、市立小・中の児童生徒全員に配られる冊子、題して「夏休みの友(略称・ナツトモ)」の存在だ。福島市統一の“夏休み宿題帳”である。

ワタクシの記憶が確かならば、自分が小中学生の頃、そんな冊子をもらった例しは、なかった。もちろん宿題は出されたけれど、それは先生お手製の“ガリ版プリント”だったろう。

確かにこういうものを作って配れば、先生一人一人の手間は省け、こう云っちゃ何だがセンセイのレベルにも左右されないし、業者との癒着も防げるかもしれない。

でも、市販教材でないだけマシかもしれないけど「活字」の宿題なんて、味気ないなぁ……。

只今「ナツトモ」と格闘中の福島市の児童・生徒諸君に保護者の皆様、そして来週、採点に追われる先生方。まさに「昨日の友は今日の敵」。……心からお悔やみ申し上げます(笑)。

ところで明日は「AOZ寄席」。
ワタクシ“人間の記憶メカニズムに迫る一席(?)”にて、ご機嫌を伺います。
3年前にたった一度掛けただけの、この噺。この3年でワタクシどれだけ成長したか、それともむしろ堕落したか……。

夕方6時、AOZ和室にて、皆様の御来場を、心からお待ち申し上げますm(__)m。

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2012年8月22日 (水)

来年3月

“紺屋高尾”では、ありません……(笑)。落語の話でもありません。“鉄”話。

東急東横線の渋谷駅が、地下鉄副都心線の駅に引っ越しすることが決まった。

付随して、ちょっと気になるニュースが。
どうも、これを機会に、東急は「日比谷線直通」をやめちゃうらしい。
ということは、日比谷線直通用の1000系が、大量に放出されることになる。
既に運用合理化で、1000系は、ちょこちょこ地方へ出ているけど。


折しも、一世代前の7000系が、地方私鉄に蔓延して20年を過ぎ、車体はまだまだ大丈夫らしいけれど、さすがにかなり古くさくなってきている……。

来年春以降、地方私鉄の車両交替が、一気に進みそうだね。

わが福島の「飯坂電車」も。

ところで、気になるのが、JR福島駅構内に、東海道線で走っていた211系電車が、長いこと留置されていること。
甲信地区で未だに活躍している115系を置き換える計画らしく、退避中なのだというけれど。
でも、わざわざ自走できない福島へ持ってくる意味がわからない……。

あ。
ひょっとしたらこれって、プレゼンか?

2両編成に組みなおせば、飯坂線に入れそうだもんな〜。

「クーラーのない電車」、そろそろ福島でも、見納めになるような、予感がする。

果たして。飯坂電車と弘南鉄道、次の主役は東急1000か、JR211か!?

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扇風機

扇風機
先日、ご近所のカツヤさんがいらした際に、久々にご登場願った、我が家の「二代目・扇風機」。

「初代」は、一人暮らしをはじめて間もなく、不燃物の日に拾ってきた。
使い物にならなくはなかったけど……スイッチ「強」で“中くらい”、「中」で“弱”、「弱」だと、蝿がとまっても平気なくらい、羽根がゆったりのんびり回転するような代物だった。
もちろん「拾い物」だから、誰にもクレームなんか、つけられはしない(苦笑)。

海老名から秦野へ引っ越して、2度目の夏だったか。

とある不燃物の朝、扇風機が出てた。
見た目はまともだけど“初代”より時代がついているようで、首の伸縮機構がない。
さすがに前回の轍は踏みたくないから、一度、部屋へ持ち上げて「動作確認」。……おお! 三段階のスイッチで、期待通りの回り方するじゃんか!

さっそく“初代”に「ゴメンナサイ!」と謝って、今連れてきた扇風機と入れ代わってもらった。

以来、二十年……。
今年のような猛暑になると、活躍してくれます。

久しぶりにこの扇風機を出して、思いついた。

柳昇師匠の“扇風機”は、“青菜”の改作だったのかぁ。

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2012年8月21日 (火)

ピョン、ピョン、パタリ!

電気を消して寝ようとすると、部屋の中で騒ぐやつがいる。

どうも“エンマコオロギ”らしい。別に図鑑と首っ引きしたわけじゃないけれど、やたらガタイのいい、コオロギくん、だ。
♪コ〜ロ、コロコロ♪と美声を聴かせてくれるならまだしも、ひたすら「ピョン、ピョン、パタパタ」と騒ぐだけ。
だいたいウチは4階だ。いったいどうやって登ってきたんだろ?

それはさておいても、ワタクシの部屋に潜んでいたって、パートナーどころか、コオロギ向きの食い物なんか、何も有りゃしない。いったいコイツ、何考えてんねん?

今夜も盛んに“ピョンピョン、パタパタ”跳ね回る。いい加減、腹が立つ……「よし、捕まえて、表へ放してこまそ!」

格闘5分。
コロくん、こともあろうに……部屋の物陰に仕掛けておいた“ゴキブリホイホイ”に潜り込む!「おい! バカ! そこは……!」と云ったのに……、聞き分けのないヤツ!

恐る恐る、ゴキブリホイホイの“屋根”を開く。
意外にも、そこには数匹のゴキちゃんが、屍をさらしていた……。さしものコロくんも「すわや!」と観念したのかどうか……さっきまであんなに元気に跳ねていたくせに、ピクリともしない。

万事休す!と、ワタクシも一瞬あきらめかけたけれど。

でも、まだ、身体が接着剤に絡め取られてはいない……ほんの爪先だけだ。

よし。
助けてやろうじゃないの!

コロくんの身体を摘んで、そっと引き上げる……。

ヤタ!
脚がもげてしまうこともなく、救出成功!

掌の中で暴れるコロくんを、ベランダから表へ、放り投げてやりました。

「美味しいもの喰って、全うしろよな〜!」

しかし……

コオロギはこんなに可愛いのに、どうしてゴキブリは、あんなに憎たらしいのか、ね……?

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2012年8月20日 (月)

冷やし中華

夏の間に一度は食べたい。

かつては一夏に何遍も作ったものだ。普段は卵なんて見向きもしないのに、冷やし中華に乗せる錦糸卵を作るためだけに、我が家の冷蔵庫には、夏場に限って卵が常備してあったっけ。

だけど、近ごろは……平日には弁当の残りご飯があるし、土日は土日でアルバイトにいそしんでいたり……。外食なぞ滅多にしないから、すっかりご無沙汰になってしまっている。

小さな子供の頃。
冷やし中華はキライだった。
好き嫌いが結構激しかったなかでも特に「卵」「蕎麦」「納豆」に次いで苦手なのが、冷やし中華のような“酢の効いたもの”だったのである。

これが引っ繰り返ったのは、学生の頃。

暑い盛りのある日。先日の青森ねぶたで一緒に跳ねた、悪友Nの家へ遊びに行った。彼は既に地元有名大企業「S鉄道」に就職し、某駅の駅員になっていた。

当時はまだ“自動改札”なんかなくて、駅には職員がウジャウジャいたものだ。そういうところで新入りがやらされるものと云えば「飯当番」。昼飯・晩飯は、買い出しから調理まで、新入りの役目である。もちろん若い先輩がお目付け役になり、指導するわけだ。

そのNが「昼飯、オレが作るぜ!」と、ご馳走してくれたのが、冷やし中華だった。……まさか、その期に及んで「あ、オレ、それ、苦手なんだよね」とも云えず……。

ところがこれが、どういうわけか、とても美味だったのでありますよ。
丁度自分が「味覚嗜好変革期」にあったこともあるけれど……それよりも、Nが「会社の先輩に好評だったコレなら、こいつにも喜んでもらえるだろう」と、気合いを込めてこしらえた一品だったのにちがいない。美味くないわけがない。

而来、約30年。たった一皿で目から鱗、わが世界をぐっと広げてくれたような“冷し中華”には、残念ながら、未だお目にかかれない……。

ちなみに、その後「駅」には合理化の嵐が吹きまくり、とどめに件の飯当番が火元のボヤ騒ぎが起きたりして、程なく駅の微笑ましくも素晴らしい習慣は、消滅してしまったそうな……。

もちろん今は、コンビニやら何やらで、すぐ食べられるものが、どこでも四六時中、手に入る。
それはそれでとても便利だし、ワタクシのような者にとってはありがたいことには違いないんだけど…………ね。

27年前の冷し中華と、3年前の「十徳」を、ちとダブらせているワタクシでした。

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2012年8月16日 (木)

盆休み最終日・気温36 ℃

昼食に素麺を食べたら、案の定カッタルクなって、本を片手に寝床で横に……。

高校時代のミワ先生を囲んでいたメンバーが、山ほど登場する夢を見た。そして、どういうわけだか、夢の中で、雪掻きをしてた……。
目が覚めたら、相変わらずの暑さ。

結局、今日は何もしなかったなぁ……まぁ、いいか、と、この記事を書き始めたら、ご近所のカツヤさんが「これから久々に、そちらで呑みましょう、行っていいかい?」と、電話が。

さぁ! 掃除だ!

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2012年8月14日 (火)

桃喰ひて 足取り軽し 柳沢

桃喰ひて 足取り軽し 柳沢
四捨五入すれば、もう30年になるのか〜〜。

高校3年の夏休み。自転車旅行を企てた。
東京西郊の自宅から太平洋に向かって南下。平塚から東海道に沿って箱根を越え、御前崎回りで浜松、豊橋。そこから天竜川沿いに北上して、佐久間、飯田、駒ケ根を経て諏訪湖。富士見の峠を越えて甲府盆地へ。そして、青梅街道・柳沢峠を登って、我が家へ……。一週間の、自転車一人旅。

今考えると、無謀極まりない計画。なにしろ、自転車以外の交通手段でバックアップをとるなんて、何も考えていない(“輪行袋”を手に入れたのは、それから半年以上の後、大学に入学してからだ)。その反面、宿泊の段取り、行程のユースの予約だけはしっかり取ってた……。
自分ではポイントを押さえたつもりなんだけど、周りからすると詰めが甘すぎる……こういうとこは、いまだにあんまり変わらない(苦笑)。


そこまでの道中の四苦八苦は、さておいて……最終日。

石和のユースに宿を取り、残すは一日。柳沢峠を越えたら後は、ひたすら「下り」を楽しみたい!

実は、この最終日だけは「一人旅」じゃなかった。
夏休み前に、このプランの話をしたら「じゃ、最終日だけだけど、一緒に走ろうぜ!」とノッテくれた仲間が二人。

彼らの宿泊地は、甲府の西、昭和町。ワタクシの方は甲府の東、石和。
だから、中を取って、当時、甲府駅前に立っていた信玄さんの銅像前を集合場所にした。

甲府盆地から柳沢峠、特に塩山の市街を抜ければ、ひたすら、きつい登り道。

山梨といえば「葡萄」というイメージが強いけれど、この沿道は、延々と「桃畑」である。

現在もパワフルな“N”は、ぐいぐい坂を登って行く。ここ一週間、修羅場を潜り抜けてきたワタクシも、負けじとペダルに力が入る。可哀相なのは、一年後輩で、身体も華奢な“I”。
「ちょっと待ってくださいよ〜! もう、ノドもカラカラなんだから〜!」

こっちとしても、休むのはやぶさかでない。
途中の、桃直売スタンドで、待ってやる。
辺りには、自分達の汗の臭いなど忘れさせる、熟れた桃の甘い香りが立ちこめている。

「よ〜し、ここで一休み! せっかくだから、ここで桃かじろうぜ!」と云ったのは、Nだったか、ワタクシだったか。

その場で、冷やしてなんかいない桃を買って、頬張る……その瞬間、爽やかな甘味が、口元から身体一杯に広がって“なんでいまどき真夏の峠道を、自転車なんかで登らなくちゃならないのさ〜!”なんていう馬鹿馬鹿しい疑問は、どこかへ吹き飛んでしまった……。

・・・・・


昨日、知り合いから売り物にならない「撥ね桃」を頂戴した。冷蔵庫で適度に冷やして、かじる……すばらしく、美味い!

ただね……。福島という、とてもすばらしい桃の産地に暮らしていて、今回のように、すばらしく美味しい桃を頂戴することもあるんだけど……だから、本当に申し訳ないんだけど……。


あの夏の、塩山の桃の美味さだけは、ワタクシにとって、ほかでは代えられない「美味の記憶」なんだなぁ……。

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「川のある街」清水義範著

「川のある街」清水義範著
清水義範さんは、ワタクシの大好きな作家の一人で、ウチの書棚には「清水義範コーナー」がある。
義範さんに馴染みがなくても、志の輔師の落語のファンなら、少なくとも間接的には義範さんの作品に触れているはず。名作「みどりの窓口」「バールのようなもの」は、義範さんの小説が原作だ。

「川のある街」、副題に“伊勢湾台風物語”と、ある。
今を去ること50年程前。伊勢湾を中心とする中部地方を襲った未曾有の大型台風は、それこそ想定外の大災害をもたらした。その被害の実情は、この本をお読みいただくとして……。

台風が襲う前の平和な日常の描写、刻々と台風が近づいてくる不気味さ、渦中の緊迫したシーン、そして台風が去った後に顕れる被災地の惨状……。

「東日本大震災」の一端を経験してきたワタクシ。ページをめくるのももどかしく、一気に読み終えてしまった……。

しかも、ワタクシの父親は、正に「伊勢湾台風」の最中、名古屋にいたのだ。多くを聞いたわけではないけれど、当時の話を聞いたことが、たびたびある。

伊勢湾台風と東日本大震災。もちろん、様々に異なるところはあるけれど、変わらないのは、そして、とてもありがたいと思うのは、日本中の人たちが「手を差し伸べてあげたい」と思う心を持っていることだ。

本の奥付を見て驚いた。
初版「2009年11月」と印刷されている。
ワタクシがこの本の存在を知ったのは、恥ずかしながら、つい最近のことだ。今回の震災の一年以上前に、このような本が出ていたなんて!
もちろんワタクシなんぞより以上に、義範さんや版元は、もっともっと驚かれたと察するけれど……。

ちなみにこの「川のある街〜伊勢湾台風物語〜」の本。福島市図書館、しかも“移動図書館「しのぶ号」”に収蔵されて以来、ワタクシが「初の貸出者」だったらしい。
だって……栞の紐が、本屋さんから買ってきたままの形で、ページの間にお行儀よく、くるまっていたから……。

福島市民の皆さん。ワタクシ、これ、もうすぐ返しますから、ぜひ、ご一読くださいな!

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談志 最後の根多帳

談志 最後の根多帳
題名が、凄い。
一発で、手に取らされてしまった……。

恐らく「談志・落語論」、最後の本。
好きな演目、嫌いな(もしくは自ら演じようとはしなかった)演目、ひとつひとつを、談志師独特の視線で、丁寧に振り返り、語っている。
自らの“現代落語への功績”を、しっかり自負しながら、自らの弱点をも曝け出している……。
残された時間が限られているという“覚悟”が、ひしひしと伝わってきた。

のは、前半まで。

後半。
この本の大部分を占める、談志師の落語の実演の速記。
ワタクシには正直、あまり面白いと思えなかった。談志師のライヴを一度でも観た経験があれば、もう少し何らかの感慨を催したのだろうけど……。残念ながら、もうそれは、叶わない。


ただ……ワタクシに大いなる影響をくれた、タンドーのオッサンと、談志師が、とても似ているような気がして、仕方がないのである……。

タンドーさんと、最後にまともに会話を交わしたとき。「オレもやりたい落語があるんだ」と、云った。

結局それきり、タンドーさんの「落語」は、永遠に聴けずじまいになってしまった……

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お盆休みの無い無い尽くし

この「お盆休み」は、東京の田舎へ帰らない、てことは福島にいるしかない。
と言って、日曜の「中合寄席」以外予定無く、遊びに出かける金も無い、お出かけをせがむ家族も無けりゃ、付き合ってくれる彼女も無い(涙)。大体ワタクシ、甲斐性が無い。
おまけにウチにはエアコンが無い、昼間の残暑はたまらない。ウチで寝ててもつまらない、外へ出た方がストレスが無い。
幸いアシ(クルマ)には不足は無い、お盆の道路も込んで無い。目指すは市立、それとも県立?、幸いここは県庁所在地、行く宛探しにゃ困らない。一路向かうはライブラリー(図書館)。
扉くぐれば書物の山、退屈覚える暇が無い。もちろんエアコン効いていて、汗はしずくも出はしない。閉館時刻のチャイムが鳴るまで、追い立てられることも無い。
日が傾きゃさほど暑くない。手にした本を借り出して、家路に就くのは悪くない。
両手一杯に抱えた本の、文字をつらつら追いながら、傾ける酒はまずくない。
これだけ借りて来ちゃった本、2週間では読み切れない……と思うから、とてもじゃないがテレビなぞ、ダラダラ視てる暇はない。だからウチには“地デジ”が無い(苦笑)。

ワタクシにとって、避暑は図書館に、限りやす。

ここしばらく、久々にハイペースで“乱読”してるな。以下(ブログの表示設定からすると“以上”か?)、昨日今日の「読書レポート」であります。

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2012年8月12日 (日)

學而時習之 不亦説乎

學而時習之 不亦説乎
有朋自来遠方 不亦樂乎

人不知而不慍 不亦君子乎

「論語入門」、ワタクシがひそかに敬愛する、井波律子先生の最新刊。
偶々、先々週、県立図書館から借りてきていた。

学びて時にこれを習う また よろこばしからずや
朋有り遠方より来たる また 楽しからずや
人知らずして慍(うら)みず また君子ならずや
〔井波先生の読み下しだと“いからず”とされている〕

論語の“開口一番”の、フレーズである。

福島へ来て最初のお盆。漢文をマスターしたくて、教室に籠もって読んだっけ……。

あれから8年。
改めて読むと、つい先週の、青森での楽しいひとときが思い出される……。

沢山の、素晴らしき朋に恵まれて、よろこばしからずや、楽しからずや!

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第49回・中合寄席「寄席講座」

今回は、少々変わった趣向。
根多帳

 漫太郎 落語家の生活と寄席
 小染社中(小染+とんぼ) 寄席囃子
 順八 芸人の着物
 京の助 寄席の色物
 左ん馬 落語家の隠語
 ツイ輝 古典落語 まくらと落ち
 いさん 手拭いと扇子の使い方

空席以外は全て満席(笑)。常連のお客さまを中心に、約三十名の御来場。お集まりいただき、また、大いに笑ってくださり、有り難く存じます。“大入叶”といたしましょう!

芸人会の師匠のみなさん、普段の「高座」とはいささか異なる「講座」に戸惑っておられた師匠、ほとんど普段と同じ様子で堂々とつとめられた師匠、六人六色でした。

自分で云っちゃあ、しょうもない自慢にしかならないけど……「お囃子講座」は、出色でした(苦笑)。
「寄席太鼓実演講座」は、以前にもやった経験があったし。
笑遊師匠に頼まれて「落語講座テキスト」の執筆・編集をした経験もあるし。
何より、福島移住から三年間、本職が“講師”だったし。

色々な方々のおかげを以ての、本日の「高座講座」なのでありました。感謝、感謝!

小染姐さんは、今日が「中合デビュー」でした。
これからもお互い精進しあって、寄席の雰囲気をもっと盛り上げてまいりましょう。

さて、今日の反省。

1。今日は小染姐さんの活躍の場面が少なかった。諸般の事情でままならないこともありましたが……今後はもっと姐さんにも活躍していただこうと思っております。よろしくお願いします!

2。「尺」がかなりオーバー。もっと中身を詰めて、濃くできたはず。事前準備の不足そのものだ。

3。昨夜、急に思いついて「大学受験ラジオ講座」テーマ曲の出囃子を作って持っていったのだが、意に反して知っている人が少なく……。このまま埋もれさせるのもモッタイナイので、どなたか使いません?

4。三年目突入の「浴衣」。洗濯する度に縮んでしまい、もう“舞台衣裳”には、みったぐない。一張羅のブルーの着物もほころびはじめてきたし……新しい衣裳が欲しい!

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2012年8月10日 (金)

阿呆観道日記「復活の巻」

阿呆観道日記「復活の巻」
ヒョロヒョロと、長〜い芽を伸ばしていた、アボカドの種ふたつ。
ひとつは順調に葉を広げているのだが、「ビリケンさん」みたいに先の尖った方が……どうも元気がない。
あまつさえ、芽の先端が、すっかり乾いて、しなびてしまった。

「ビリケンさん、だめだったか〜」と、がっかりしていた。もう少しで「ごめんね」と謝って、ごみ箱へ棄てるところだった……のだが。

今朝、ひょいと見たら、しなびてしまっている辺りの直下から、生き生きとした、新しい芽が出ていた! あわてて棄てなくてよかった!

枯れてしまったところを切り取って、新芽に「元気に伸びろよ〜」と、声をかけてやった。

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藤蔭也充・名取襲名披露公演

藤蔭也充・名取襲名披露公演
「藤蔭也充(ふじかげ・なりみつ)」と云っても「?」だろうけど「ボンガーズのオカン」と云えば、福島県民なら大概知ってる。

オカンが日本舞踊の名取になるとは、今朝、職場で「“卓”さん、よかったら行ってもらえます?」とチケットを頂戴するまで、ちっとも知らなかった。
でも、ひとつ腑に落ちたことがある。2度ほどオカンの間近にいる機会があったのだが「身のこなしがとてもキレイだなぁ」と感じていたのだ。なるほど、踊りから来てたんだね。


しかし、今回の公演、オカンのみならず、ボンガーズの皆さんにも、とても良い刺激になったのではないだろうか。

也充名取の踊り。ワタクシ日本舞踊の素養はほとんどないけれど、優雅で力強く美しい身のこなしにすっかり見とれた。
第一部で披露された“福腹太鼓”、昨日今日の稽古で、あの演奏はできない。
そして“余興”的に見えた演芸の数々も。つい先日、保原で、我々の落語の前に、ワンパラのお二人「玉すだれ」をやってた。思えば、今日の舞台の予行だったかも知れない……。

芸事は何にせよ「稽古」に尽きる。それを、鮮やかに見せてくれた、今夜の公演だった。

よ〜し、ワタクシも……精進するぞい!

ボンガーズの皆さん、迫真の舞台でした。
チケットを持ってきてくれた職場の同僚、“デート”に付き合ってくださった小染姐さんにも、感謝。
すばらしいひとときを、皆さん、ありがとう。

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2012年8月 9日 (木)

義経

よしんば「不通過」でも、池田へ出向こうという思いもあったのですが。

馴染みになった皆さんの応援や、カバン持ちもしたいし、ファイナリストの方々の噺、ちゃん平さんの「エキシビジョン」も観たい……。

しかし、今回は、思うところがあって、池田行きは「義経」にします。

もちろん「ファイナリストへの夢」を、棄てたわけではありませんよ。必ずリベンジするもんね!

すゞめさん、小道さん、目一杯楽しんで来てくださいね! そして、諸先輩方、福島と米沢から参加するこの2名を、ぜひ温かく迎えてやってくださいませ。よろしくお頼み申しますm(__)m。

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2012年8月 5日 (日)

弁慶!

弁慶!
8月4日・ねぶた&落語会 於・青森市古川市民センター

根多帳

 圓丁亭日が志 開口一番
 光家平三「大工調べ」
 海月家ぷかり「真田小僧」
 鹿鳴家傳右衛門「たがや」
 えぞ家葉櫻「火焔太鼓」
 圓丁亭日が志「孝行糖」
 〈仲入り〉
 ワタクシとんぼ「青菜」
 酢葉月亭ばじる「鈴が森」
 立の家猿之助「幽霊の辻」
 葡萄亭わいん「鼓ヶ滝」
 火災亭珍歌「たけのこ」
 酒飲亭いさん「牛褒め」


“大入叶”とはいえないけれど……、落語12題にお付き合いくださったお客さま、中でも「ほぼ強制的に座らされてた」わが旧友ナカタ夫妻の倅・三兄弟、ありがとう。

お囃子プレーヤーに張りつきながら、受付のナルねぇさんと張り合って、ワタクシ、ゲラゲラ笑い通しでした。

自分の噺はさておき、経験豊富な諸先輩がたの話芸を、目一杯楽しみましたです。

「不通過」食らったって……なぁに、青森、ねぶたがあるさ!

みなさん、ありがとう!

一つ、反省。
われらの「NTTねぶた」のテーマが「弁慶の祈り」だと知ったのは、落語会が済んで跳人の衣裳に模様替えしてから……。
予め知っていれば、噺の持っていき様も色々あったのにな……。

何事も「予習」が、大事だね!

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本日の朝食

本日の朝食
青森・アウガ地下、生鮮市場内「市場食堂」の“刺身定食”。

ホタテ、本マグロ中おち、カンパチのプリプリのお刺身、青森産米のごはん、カブの浅漬け。トロトロヌルヌルの塩引き昆布の滋味が、跳ね疲れ呑み疲れの口腹に優しい。

“目から鱗”は「トロロ昆布のおみおつけ」。
トロロ昆布は、ここ1年ほど、我が家の「常備リスト」に食い込んでいる。
いつもは単純に熱湯をかけて、お吸物にするだけなのだが……「おみおつけ」、いいね!

自宅でやるなら、お吸物にする半分くらいのトロロ昆布をお椀に取り、適量のお味噌と刻み葱を添えて、グラッグラに沸かした熱湯を一気に注ぎ込む……。

某“Aさげ”より、ゼッタイ美味しい、はずだ(笑)。

「のっけ丼」ウェイティング90分!(ということは、今からお米を研ぐのだ……)を避けて、日が志師匠が案内してくださったお店。
その場でいただいたものがとても美味しかったのはもちろん、今後の我が家の食卓を、今手持ちのもので賑わせてくれる一品に出会えたのが、嬉しいね!

ごちそうさま! 美味しかったぁ〜!

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