いつも(出る方でも観る方でも)どうしても写真を撮る余裕の無いワタクシ。というわけで、今回もビジュアル要素無しにてご容赦……。
根多帳
笑遊「紙入れ」
ツイ輝「転宅」
小笑 漫談&マジック
とんぼ「かわいい」
いさん「雛鍔」
お囃子 小染社中
「空席以外は満席」(笑)、とはいっても、50名様を超えるご来場! 大入叶! お客さま、学習センターの係の皆様、老人会役員の皆様に、感謝申し上げます。
今日の出色は、何と云っても、ツイ輝兄さんの「転宅」!
根多卸しの不安な空気が、ほとんど無し。しっかり、さいご兵衛になって、お客さまの心を見事に盗ってました。さらに、普段は静かな「楽屋」だけれど、今日は兄さんの噺に引き込まれて、笑い声に満ちてましたよ!
また新たな一歩のスタートですね! おめでとうございます。
一方、ワタクシは……、震災発生以来、封印していた噺を、久々にかけさせていただきました。
中身は至って他愛のないものだけど……「手厚く葬りたいから死骸を引き取りたい」というクスグリの台詞。これが、ワタクシ自身、笑えなかった。
一昨年の4月、志津川へ訪れたときに見た様々が、脳裏を去来する……。
三角の赤い旗がたくさん、津波の瓦礫に、はためいていた。「ここに収容できてない遺体がある」という印……。
そして、我々が噺をさせていただいた志津川アリーナ、壁一枚隔てた向こうが、遺体安置所だったこと……。
生々しすぎて、ね。ましてやワタクシのこの噺のマクラは、必ず「千の風になって」の替歌を歌うことになってるし……。
でも、悲しみ続けているだけじゃ、始まらない。
震災復興が、早く成るように……そんな思いで、今回、封印を解きました。
もちろん「原発を再稼働しよう」なんて云ってる人たちみたいに、一昨年の出来事を簡単に忘却の彼方へ押しやってしまうわけではなく。
この噺をかける度、筍を美味しくいただく度、2011・3・11、14:46の記憶を、新たにするために……。
それは、それとして。
もちずりのお客さまは、ホント優しいなぁ! 演者一同、感激です。
ただ……お一人、ちょいと困ったお客さまが……。
先のセリフがわかっちゃっても、お願いですから、演者より前に云わないで!(笑)
映画館だったら、ネタバレの被害者は周りの何人かだけで済むけど、生の高座だと、演者が動揺しちゃうんです。今日のいさん師匠がマクラで話したように、そういうの、高座から丸聞こえなので……。
今度は開演前「携帯電話についてのお願い」のほかに、もうひとつ追加するようかなぁ。
「もし次のセリフがわかっても、決して声に出して云わないでください!」
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