第24回 仙台新撰落語会
いきなり楽屋に「こんちは〜」と行ってしまう、図々しいワタクシ……
まだ落語を再開する少し前、福島テルサ寄席に観客で毎年行ってた頃も、そうだった。その頃「ご一緒にやりたいんです」オーラは、やっぱり知らず知らず出てただろう。開演前ギリギリに伺うと大概、健康亭永生師匠がひとり、楽屋番をなさってた。今度、師匠に訊いてみよう。
数年前。柳家さん八師匠が、福島テルサでの「実録噺・東京大空襲」公演にいらした時……
その時は既に、テルサの楽屋は、勝手知ったる我がホームグラウンド。事前にメールのやりとりなどをさせていただいていたこともあって、さん八師匠は、にこやかにワタクシを迎えてくださった。お酒、ことに日本酒がお好きな師匠と「一杯酌み交わしたい」オーラが、やっぱり出てたにちがいない。予定の員数に入ってなかったにも関わらず、終演後の懇親会に同席の栄にあずかり、あまつさえ、新幹線ホームまでの「鞄持ち」もさせてくださった。
4月21日土曜日
第24回・仙台新撰落語会
根多帳
時実亭 奏人「寿限無」
北山亭 功志「饅頭恐い」
乃芽家 一昇「短命」
胃仲家 百勝「花筏」
〜仲入り〜
賀千家 ぴん吉「居酒屋」
櫻川 后左江 踊り「深川」「みんなでかっぽれ」
天地家 創造「明烏」
ほぼ空席無し、大入叶!
今回は、アンケートを書かなかったので、ちょいと(笑)感想など。
奏人(かなと)さん。
爽やかで、しかも堂々たる初高座! ルックス善し、声善し、羨ましい……。今後の延びしろも広いしなぁ。
ただ、ひとつ気になっちゃったのは、枕のなかで連発した、無意識に出たであろう「〜じゃないですか」という、いわゆる“若者コトバ”の言い回し。……でも、これが気になるということは、ワタクシもすっかりジジイの範疇なんだということなんだけどもね(苦笑)。
“南伸坊”似の功志さん。
たまたまワタクシ、着付けを手伝うことになったんだけど……力不足で、ゴメンナサイ! 特に右襟がグダグダ……。自分の着付けも含め、勉強し直してまいります……。噺は、勤め先のCMが入ったりして、楽しみました。ああいうアレンジ、好きですよ。
一昇さん。
なぜかここのところ「短命」を聞く機会が多かった。しかし落語はみんなそうだけど、演る人それぞれ、みんな演出が違う。特にこの噺は、演者さんそれぞれの人生模様がそこはかとなく垣間見えて、面白い。そして、これを面白く話せる人は間違いなく“愛妻家”なんだなぁと感じる。「美人は三日で飽きるけど〜(あとはムニャムニャ……)」。一昇さん、ぜひ長生きしてね(笑)。
百勝さん。
鶴のようにスリムなお姿なのに、ブヨブヨ花筏の提灯屋と、筋肉隆々の千鳥が浜の締め込み姿が、ピタリとハマります。櫓太鼓のさりげない描写には、見物で賑わう巡業地の仮設土俵の景色が目に浮かびます。心底相撲がお好きなんですね! 相撲甚句も素晴らしい。
ぴん吉さん。
ほぼ“三代目金馬”の噺ぶり。それだけで楽しいけど、ぴん吉さんの演出には、金馬師にはないものが。それは、客の男が段々酔ってくるところ。金馬師は、かなりフラットだけど、ぴん吉さん演じるところの客は、徐々に背が丸まり、目は座り、呂律が怪しくなってくる……。下げもワタクシの知っているのとは違えてあり、目から鱗。
帰宅してから改めてプロフィールを観たら、得意根多のひとつに「居酒屋」を挙げていらっしゃるのを発見! 打ち上げの席にて失礼なことを申しあげてしまい、恐縮の至りです……。
后左江姐さん。
機会があったら、かっぽれの身振り手振りを教わりたいと思っていたのです。なんと! 今回は客席とひとつになっての“かっぽれ講座”、否、“かっぽれ高座”! ありがたく“受講”いたしました。またぜひ教えてください!
トリは創造師匠「明烏」。
つい先日、ワタクシ自身が卸した噺なので、一際楽しみにしておりました。
ただ、そうなるのは致し方ないんだけど、純粋にお客でいられない。どうしても演者さんの心持ちに想いが行ってしまう。
後で伺ったら「音源」だけで稽古なさったそうで、カミシモの切り方、仕草を決めるのに、ご苦心なさったとのこと。
元の音源は志ん朝師だそうで。奇しくもワタクシが稽古台にさせてもらったのは、先代馬生師。様々演出の違うところもあり。昨秋、生で観た、志ん朝師の最後の直弟子にあたる志ん陽師匠の「明烏」は“甘納豆”でしたが、多助が源兵衛に向かって甘納豆鉄砲を喰らわせるシーン、あそこなどなるほど、梅干しの種の方がしっくり来るように思われます。
しかし、さすが創造師匠! ワタクシの大好きな“上品で、ふるいつきたくなるくらいカッコイイ、創造ワールド”を現してくださいました。
ところで……
親夜亭目ぼそ兄さんの肝煎と、山川短志師匠をはじめ、仙台新撰落語会の皆様のご好意を頂戴して、ワタクシ、メンバーに加えていただけることになりました。
より精進してまいりますので、ワタクシ「裁落亭とんぼ」にどうか、一層の御贔屓を賜りますよう、御願い、奉りますm(__)m。
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