台風18号の吹き降りをおして、福島市音楽堂へ出掛けた。
福島市民オーケストラの「ファミリーコンサート」。
音楽堂の玄関で
「おや!」
「まぁ!」
「せっかくどうも!!」
我らが素人落語の会、大のご贔屓、シュンさんに遭遇。
“シュンさん”。
いつも寄席にお運びくださるから、お顔を存じ上げないメンバーはいないけど……どういうわけか、うちのメンバー誰ひとりとして、お名前を伺うチャンスがなく……
今までたいへん失礼しました。
まみえが濃くて、彫りが深くて、いつも優しく笑ってくださる……
そう! あの方です。
ワタクシ、なんでかんで、シュンさんとは、よく出くわすんだなぁ。
今年の1月。“こむこむ”での、NHKラジオ「歌の日曜散歩」公開生放送。ワタクシは会場スタッフ、シュンさんはお客様。
落語のらの字もない日に、福島駅東口でスライドしたこともある。
会場受付。職場の社長がいらしたので挨拶し、シュンさんに続いて客席へ向かおうとしたら、そこに旧知のタカハシさんが。
「いまここで“指揮者体験”の受付してるから、ぜひ!」
と、のたまう。
「え〜、いいの?」
と言いながら書面を書き上げたら、タカハシさん
「第一希望で挙げときますから〜」と、ニコニコ。
第一部の演奏が終わり、司会の関根みどりさん、登場。
「第二部の体験コーナー、厳正なる抽選で、これから名前をお呼びする方に決まりました!!」
……あっそうか、そうだよね、そう無闇矢鱈にはできないわなぁ。
「ではまず指揮者体験の三人です。一人は、○○小学校・◎◎さん! 続いては、▽▽小学校・△△さん! 残る一人は、お歳は言いませんか゛、岡部にお住まいの“卓”さん!」
あのさ。
完璧、出来レースでしょ、これ!
それでも何にしろ、ワタクシの長年の夢のひとつ
「オーケストラのタクトを振ってみたい!」が、現実になる……
袖にいるときには、今日の指揮者にして、ワタクシの指導をしてくださる、小野富士(おの・ひさし)先生とバカな無駄口叩けるような、平常心でいられた……んだけど。
いざ、タクトを握って大ホールの指揮台に立ち、正面に楽団全員の眼差し、背後に観衆の視線を受けてみれば……
ワタクシに、これまで経験したことのない「高揚感」が襲った。
あんなに「アガッた」のは、生まれて初めてだ!
課題曲の「威風堂々」が、若い頃に好きで散々聴いた曲だったのは、幸いだったが……
一昨日AOZで演った、千早を見初めた竜田川じゃないけれど、ワタクシの下半身は、指揮台に立っていた間中、マグニチュード9.1で震えっぱなし。
ホウホウの体で客席に戻ったら、シュンさんに
「脚が震えてたよ!」って、冷やかさっち……。
しかし、流石に背中の客席にまでは気を配る余裕はなかったけど、楽団の皆さんが笑顔でワタクシのタクトに付き合ってくだすったのと、コントラバスの後ろ辺りで小野先生がにこやかに見守ってくださってらしたのは、わずかに見てとれた。
しかしまぁ……
すっかりくたびれまくり、おまけに胃が暫くキリキリ痛むような、貴重な経験をさせていただいて……、感謝感激に堪えませぬ! もしも、もしも、できることでしたれば……
指揮台に も一度のぼせてちょうだいませませ〜♪
(……ダメだ、ビョーキだね、この人……笑)
アーサー・フィードラー率いる「ボストン・ポップス」……。憧れるなぁ……。今日は、その世界に、ほんの、ほんの僅かだけど、近寄れた気がする。
「ハァ〜、くたびっちゃ! もう何〜んにもやっちゃくねぞい! 出来合いの惣菜で一杯呑んで寝っぺ!」
そう思って、買い出しして帰宅したはずなんだけど……
気が付いたら、湯を沸かして、枝豆とモロヘイヤを茹でてた。
これもほとんどビョーキだね!
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