記憶というのは、不思議なもので
普段スッカリ忘れているのに、フッと思い出すことがある。
笑遊師匠と初めて出会った頃。
週に一度は、当時、レンガ通りに構えてたお店に、仕事帰りにお邪魔して、落語談義に花を咲かせたものだ。
「とんぼチャンは、噺家さんは誰が好きなの?」
「そうっすねぇ、若い頃に“芸協”のお師匠さんばかり観てたんで、柳昇さんとか、先代柳好さんとか、米丸さんとか……。あと、当時は、枝雀さんが全盛期でしたから、うちのコレクションにも沢山あるし、好きですねぇ〜」
「うん、枝雀は面白かった!! でもね、ボクは、お師匠さんの米朝さんが大好きでねぇ。一時期、オッカケしてたのよ」
というと、米朝師匠と一緒に撮った写真を出して、見せてくれた。
「米朝さんの落語会を福島で開くのが、ボクの夢なの。でも福島じゃ、上方落語はサッパリウケないんだよね……」
笑遊師匠の夢は、残念ながら、おいそれと叶いそうになかった。
だからって「地獄八景」の取材に、急いで行っちまわなくたって、いいじゃん!
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