去年の秋に「ウカッと」受けてしまった“絹の里寄席”出演。
おまけに当初三人予定のところ、奇術の先生の都合が付かなくなり、落語の兄さんとの二人組。しかもアタシが“主任”だって。
出演も稽古も、二ヶ月丸々休んでしまい、そうなると負のスパイラル、自信もほとんど喪失。正月休みが終わる頃、どうやって断ろうか、真剣に考えてた。
でも結局「今更断るのは……ジャマクサイ」と、無精者思考をして、逃げるのは止した。
先日の中合寄席での“DPAD”
(事前撮影)
実は結局、失敗に終わった。ちゃんと歌えなかったし、動作も間違えた。ニワカ仕込みだからと云えばそれまでなのだが、案外気合が入っていたから、この失敗はクヤシイ。
まずは、そのリベンジをしよう。
と、思っていたら、国立劇場公式YouTubeに「PNSP(ペンヌリサンポーサンポーペン)」が上がってて……
「コレだぁ」
前回は、ペンを大根にしたから、リズムは狂うは動作は重いわ、上手く行くわけないのであった。
ペンはそのままに「アポー」を「ダイコン」にすりゃあいいのだ。
しかし「アポー」対「パイナッポー」に相等する「ダイコン」対「〓〓ダイコン」は?……
で「凍み大根」を思い付いた。「ペン凍み大根、大根ペン」
ところが。
「凍み大根」には、まだ時季がチョイと早かった。
今朝から近隣の農産物直売所を足を棒にして回ったが(←クルマだ、大嘘)、どこにも見当たらない。「切り干し大根」はあったけど……リズムに乗れない。
足を伸ばした二本松市・安達道の駅の直売所。ここも“凍みもち”はあったが肝心の凍み大根は無…………ん!?
「赤大根!?」
PADP
♪I have a pen,I have a “でぇご(大根の訛り)”
はぁ〜、でぇごっペン
I have a pen,I have a“赤でぇご”
はぁ〜、あがでぇごっペン
でぇごっペン、あがでぇごっペン
はぁ〜、ペンあがでぇご、でぇごっペン♪
おかげさまで、前回よりも数段上手くいきました\(^o^)/。モチロンその後は“農大名物大根踊り”。紅白大根は、お客様にプレゼント。
四迷兄さん「替り目」のあと、今度は着物で高座へ。
色々考慮の末「寿限無(普通の……笑)」にしました。
まるで狙ったかのごとく、絹の里さんが、プログラムにアタシの亭号を“栽落亭(注・栽培の栽)”と書いてくださったもので、わが高座名の由来という、寿限無にピッタシのマクラを振れました(この誤字マクラ、もう何度もやってます……苦笑)。
いやしかし。
寿限無、演ってると、稽古の時でもアドレナリンがドバドバ出てきますなぁ!! 久し振りに演ったけど、もう、楽しいのなんのって。
拙作「寿限無銀行」も稽古が楽しい。でもマニアックなクスグリをふんだんに入れすぎてるから、普通のお客様には向かない。
プロの落語家のお師匠さん方は、恐らくこの「アドレナリンドバドバ」の快感を心得てる。
フツーにアドレナリンが溢れている若い頃には解らない、年を重ねて初めて気付く妖しい感触を。
ただ、お師匠さん方は立場上、まず、演らない。それでマスメディアにも「落語・寿限無」は滅多に流れない。
でも教科書に載っているものだから、名前だけが勢い、一人歩きしてしまう。
だから「寿限無」は、我々アマの狙い目なんですな。
由来の説明はダレ場だけど「あれ聞きたかった」という人が、結構大勢いたりしますし。
そして名前を連呼するクライマックス。アドレナリンドバドバで演ってると、お客様も乗ってくるんだよね〜。落語だかロックだか、もうワケわかんない。
プロには無い、プロにはできない落語。
「ベテランがトリで演る寿限無」
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