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2018年7月19日 (木)

もう半分

「もう半分」という噺。

基本的には、ドロドロした、後味の悪〜い怪談である。
先代・馬生師のCDを聴いたときは“もうイヤだ”と投げ出したくなった……(馬生師のことは好きなのだが)。

でも、先代今輔師のは……
①八百屋の爺が、酒を前にすると、終始ニコニコして、実に美味そうに呑む
②酒屋の主人は、一時悪ぶったりするが、土台は善人。非情に見える酒屋のかみさんも、赤ん坊の風貌を一目見て逆上死を遂げてしまう。善人とは言い難いが、サイコパスとは違うようだ。
③爺が転生したと思われる赤ん坊が発する「もう半分」。怨めしさのうちにも、前世の旨酒を思い出したような、懐かしく愉しげな情感もある。

……というような要素で、落とし噺的な怪談というか、怪談的な落語というか、ちょっと他にない味わいの噺になっている。

寄席芸の怪談というと「円朝作」のマジに怖いのか、「お菊の皿」のような爆笑パロディが大多数のように思う。

「もう半分」は、どちらでもない。
笑いの要素も多いし(……ってか、今回自分で演じて、爺様のセリフ“もう半分お願いします!!”で、想定外の笑いがドッと来てビックリ)、終盤の緊迫感を、一気にほぐす落ちがある。

こんな“怪談”、アタシは他に知らない。

せっかく何かの縁で出会った演目である。
演じる時と場所が難しいけれど、もっとキチンと練り上げて「得意根多」に育てたい。

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